beacon

「一番目立つ」「全部上手い」。フランス遠征から帰国の1年生コンビ、MF山口豪太とMF長璃喜が昌平にゴールと白星をもたらす

このエントリーをはてなブックマークに追加

MF山口豪太(1年=FC LAVIDA出身、左)とMF長璃喜(1年=FC LAVIDA出身)がU-16日本代表のフランス遠征から帰国。プレミアリーグEASTで昌平高にゴールと白星をもたらす

“高校年代最高峰のリーグ戦”プレミアリーグEASTは、15日と16日、第3節が行われる。昌平高(埼玉)は、初参戦のプレミアリーグEASTの開幕2試合でいずれも優勝経験を持つFC東京U-18(東京)、柏U-18(千葉)とドロー。実力を示している一方、勝ち切れていないチームに期待のU-16日本代表コンビが合流した。

 ともにU-16日本代表のフランス遠征に参加し、第50回モンテギュー国際大会で準優勝に貢献したMF山口豪太(1年=FC LAVIDA出身)とMF長璃喜(1年=FC LAVIDA出身)が12日夜に帰国。日付が変わる前に自宅へ戻った2人は、翌13日の授業に出て昌平の練習に合流した。

 長はフランス遠征期間中に負傷。まだベストコンディションではないようだが、トレーニングでは最初のメニューから加わり、得意のドリブルも見せていた。また、山口は時差ボケで睡眠不足というものの、14日にスペシャルコーチ就任が発表された元日本代表FW玉田圭司氏のアドバイスを受けながらシュート練習を続け、その後先輩DF田中瞭生(3年)との1対1や再びシュート練習も。自分たちにとっての“プレミアリーグ開幕戦”へ向けて準備を進めていた。

 長は「(プレミアリーグはフランスで経験した)海外よりもレベルが高いんじゃないかと思います。得点に絡みたいです」と意気込む。3月に大阪で行われたECLOGA(エクロガ)では神村学園高(鹿児島)との決勝で4人、5人とドリブルでかわして衝撃のスーパーゴール。高校進学前の新1年生がチームを優勝へ導き、大会MVPを獲得した。

「ドリブルが自信になりました。中に行くドリブルが得意なので(イメージ通り)」という一撃で名をさらに上げたMFは、フランス遠征でも得意のドリブルが通用したという実感を持っている。プレシーズンは、トップ下の兄・MF長準喜(3年、U-17日本高校選抜)とともに左サイドでテクニックを発揮。2人の競演にも注目だ。「兄弟というのもあるのでやりやすいです。ここでパス欲しいとか、良く来るんで。声とか掛けやすいですし」という兄とともに崩し役となり、得意のドリブルからゴールを破る。

 一方の山口は、プレミアリーグでの戦いへ向けて「チームが2節とも引き分けなので、まずは点に絡めるプレーをして、勝ち点3に貢献したいです」と力を込める。昨年、中学3年生でプリンスリーグ関東1部を経験。得意のドリブルで魅せたMFは、「You Tubeで見たりして結構レベルが高いというのもあるんですけれども、その中でもプレミアリーグはちょっと楽しみだなと」。中学2年時から強豪・FC LAVIDAの10番。21年度の全日本ユース(U-15)選手権などでインパクトのある活躍を見せ、「逸材」「至宝」とも呼ばれたレフティーは現在、成長のために課題と向き合っている。

 プレシーズンは主に交代出場。「まだ実力的に全然足りないので。予測とか、細かいところの繊細さがまだだと思います」と自己評価する。また、フランス遠征ではU-16フランス代表戦で対面の左SBのフィジカルに押し切られたという。だが、「フランス戦以外は自分のプレーを結構出せた」。昌平のトレーニングでも1対1の強さやアイディアなど存在感十分の動きを見せている山口は、先発でも、交代出場でも勝利に点に絡んで勝利に貢献する。

 ともに23年高校サッカーのスーパールーキー候補。長は山口について、「代表とか行っても一番目立つ。そんな感じの選手です。ドリブルからのシュートとか、特にテクニックが日本で一番上手いんじゃないかと思います」と評し、山口は長について「全部上手いです。自分もあれ以上は見たことがないです。あのドリブルはマジでヤバいです。相手の前に潜るのが上手かったり、細かいところの上手さがある」とコメントした。

 お互いにリスペクトし合う一方で「負けたくない」。昌平OBのMF荒井悠汰(現FC東京)やMF松木玖生(青森山田高→FC東京)、FW福田師王(神村学園高→ボルシアMG)は高校1年生時の全国高校選手権でインパクトのある活躍を見せている。2人はそれを超える活躍をすることも目標だ。

 山口は「試合に出て、松木選手とか1年の頃から活躍していたので、それ以上に活躍できるように考えてやって、選手権で毎試合得点取れるように頑張りたい。ラヴィ(FC LAVIDA)の仲間とやれる最後の3年間なので日本一を取りたいですし、先輩とも日本一を取って3年間、3連覇したいという気持ちがあります」と力を込め、長は「(松木選手たちを)超えたいです。(今年、)自分の得点で勝ちたいです。まずは自分の得意なドリブルを伸ばして、3年間でもっと点に絡める選手になれたら良い」と誓った。将来の目標に世界を掲げる2人が、1年時からプレミアリーグ、選手権で活躍し、対戦相手や高校サッカーファンを驚かせる。

(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
●高円宮杯プレミアリーグ2023特集

TOP