beacon

足を攣らせても跳躍続けて対空戦完勝。武南DF小金井遥斗は得点もできるCBへ

このエントリーをはてなブックマークに追加

武南高CB小金井遥斗(3年=クラブ与野出身)は空中戦で抜群の強さを見せるなど完封勝利に貢献

[4.26 関東高校大会埼玉県予選準決勝 武南高 3-0 浦和東高 駒場]

 身長は175cmほど。特別な高さはないが、空中戦で抜群の強さを見せた。武南高CB小金井遥斗(3年=クラブ与野出身)は跳躍力を活かして相手FWの上からヘッド。ほとんどのボールで競り勝つなど、ロングボール中心の浦和東高の攻撃を跳ね返し続けた。

「相手の攻撃の特長がロングボールと分かっていた。自分の武器はヘディングなので、そこはチャレンジして、全部返せれば相手の攻撃は全部潰せると分かっていたので。勝てないとしても味方がカバーリングしてくれていたので、自信を持って行きました」

 1-0が続く展開にも焦れずに声を掛け続け、来たボールは全て跳ね返すつもりでいた。雨中で跳躍の本数が増えていたこともあってか、後半の早い段階で足を攣らせてしまうアクシデント。だが、「自分がやるしかないと思っていたので」という小金井は、治療を受けてピッチへ戻ると、試合終了間際に交代するまで跳躍を繰り返した。

 小金井はFWとして武南へ進学。CBへ転向したのは高校2年生からだ。元々跳躍力に自信のあった小金井はヘディングが武器になることに気づき、紅白戦、練習試合から責任感を持って跳ね返すことを目指してきた。

「そこで自分がやれないとCBとしてやっていけない」。覚悟を持って取り組んできた成果。空中戦の強さに加え、50m走6秒3のスピードやビルドアップ、ダイレクトのパスも特長とするCBは、内野慎一郎監督やチームメートから信頼を勝ち取っている。

 理想とするCBは元スペイン代表DFのセルヒオ・ラモスだ。「めっちゃ点取れますし、めっちゃヘディングも強くて闘争心もあって、憧れにしています」。目標とする存在のようにセットプレーでゴールを決めることは現在の課題。「精度の高いボールが上がってくるのは間違いないので、そこで自分が決められたらチームも楽になるし、自分自身のモチベーションも上がるので、攻撃でも点を取れるようなCBになっていきたいです」と力を込めた。

 全国レベルの対戦相手とどのくらい戦えるのか、楽しみなストッパーだ。埼玉県内にはプレミアリーグ勢の昌平高、プリンスリーグ勢の西武台高もいるが、インターハイ予選、選手権予選では引かずに戦い、全国切符を獲得するだけ。伝統校の守りの要が今年、関東、全国舞台で躍動する。

(取材・文 吉田太郎)

TOP