beacon

献身にこだわるボランチがボール奪取と中央突破、精度も。近大附MF矢野皓誠がインハイ出場校相手に光る動き

このエントリーをはてなブックマークに追加

近大附高MF矢野皓誠(3年=RIPACE SC出身)は攻守に光る動きを見せた

 全国大会出場校相手に存在感のある動きを見せた。インターハイ大阪府予選4強の近大附高は、「第12回 堺ユースサッカーフェスティバル」開幕戦(21日)で全国大会に出場する徳島市立高(徳島)と対戦。チャンスを活かせずに0-2で敗れたものの、MF矢野皓誠(3年=RIPACE SC出身)が攻守に光る動きを見せていた。

「しっかりパスコースを2つ以上作ることを意識して、ボール回しの中でハマらないように意識していました」というボランチは、ボールに係わりながら、特長である推進力や球際の強度の高さ、展開力を発揮。相手の寄せが甘ければ中央からのドリブルで一気に攻め上がり、ゴール前のシーンを演出していた。

「アジリティを活かしたボール奪取とセカンドボールの予測と展開力、自分では推進力はあると思っているので、相手の足が止まった時に自分の推進力で数的優位やチャンスを作り出すことは自分の強み」。コンディションがベストでない中でのプレーだったが、強い気持ちで戦い抜いた。

 矢野は前日まで関東の強豪大学に練習参加。21時の練習終了後、迎えに来てくれたコーチたちの運転によって千葉県から大阪府まで車で移動し、この開幕戦に臨んでいた。それでも、「チームに欠かせない存在になりたい。ハードワークができて、チームがシンドい時にどれだけ貢献できるか、というのが自分の中である。そこの献身性は小中からやってきた。それを積み重ねた上で自分の長所であるアジリティなどを活かしたプレーをもっともっと磨きをあげて献身的な選手になりたい」と語るMFは、チームのために奮闘。強豪対決で一際目立つ動きを見せた。

 ただし、先の動きを見きれずにワンツーで2度のロストをしたことなどを反省。「奪った後の配球の質であったり、オン・ザ・ボールの質をもっと上げたいと思っている」。チームも大阪府予選準決勝同様に内容良く試合を進めながら敗れている。

 今年の近大附は、DF若松大輔主将(3年)や10番MF高下麻実(3年)、FW上田泰地(3年)ら力のある選手が多い。ボールを繋ぐ力にも優れているものの、リードされたりすると慌てて“事故狙い”のサッカーをしてしまうことがまだまだある。それだけに、矢野は「やるポテンシャルは全員あるので、ビビらないメンタルであったり、自信をこの夏付けて行ければ良いなと思っています」と語った。

 矢野は大学を経由してプロ入りすることが目標。選手権に出場し、活躍すれば、高校選抜に食い込むチャンスも十分にある。「(2枠の)インターハイと違って選手権は1校しか出られないので、厳しい道程になると思うんですけれども、その部分ではこの夏にチームがもう一段階成長して、完成度を上げて、大阪を制して全国で優勝したい」。「第12回堺ユースサッカーフェスティバル」では高川学園高(山口)、神村学園高とも対戦し、強豪校の基準を体感。成長を続け、ビビらないメンタル、自信を身に付けて選手権予選に臨む。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2023

TOP