飛躍のための夏を意識高く過ごしている。MF福本一太(2年=アイリスFC住吉出身)は、1年時から大阪の強豪・阪南大高で先発。大阪府選抜の一員として出場した国体少年男子の部では、ボランチのレギュラーとして攻守両面で活躍し、3位に貢献した。

　まだ肉体的に無理のきかない部分もあるが、予測力の高さや鋭いアプローチによってボールを奪取。意識して止める・蹴るに取り組み、国体時に比べて質を向上させた。また、「(縦パスを)差す時のタイミングやFWと繋がる時のポジショニングや受ける位置、そういうところはずっと教えてもらっています」。コーチとのマンツーマンのトレーニングで成長させた部分もある。

　“全国大会級のフェスティバル”「ニューバランスカップ in 堺ユースサッカーフェスティバル(2023)」(J-GREEN堺)の瀬戸内高(広島)戦(22日)では、的確なポジショニングでボールに係わりながら縦パスも通し、後半にはゴール前へ飛び出して貴重な追加点。疲労もある中、「声は切らさないようにしようと思っていて、人を動かして自分が楽してでもボールを奪えるようにしていました」と語るMFは、3-0で試合を終えた。

　自身のプレーに満足はしていなかったものの、存在感のある動き。チームはその後「ニューバランスカップ in 堺ユースサッカーフェスティバル(2023)」で勝ち上がり、準決勝進出を決めている。

　今年の阪南大高はMF弓場潤哉(2年)や右SB藤本瞬(2年)、CB河村駿(1年)、MF伊藤成康(1年)ら下級生の台頭も光る。福本は特別目立つプレーヤーではない。だが、濱田豪監督が人間的にも評価する福本は、欠かせない選手として、アイリスFC住吉の先輩でもあるDF宮崎悠大(3年)ら3年生たちとともにチームを引っ張っている。

　プリンスリーグ関西1部は現在3位で優勝争い中。だが、インターハイ予選は準々決勝でプレミアリーグ勢の履正社高に0-1で敗れた。それだけに、「この夏はどのチームよりも強度高く練習して。履正社で肉体的にも、走るところでも、切り替えでも全部差を感じたので、練習でもっと強度を上げてやっていきたい」とコメント。選手権で輝くため、プレミアリーグ昇格を果たすため、意識高く日々を過ごしている。

　目標とする選手はMFエンゴロ・カンテ。そして、下級生時から選手権で活躍し、先輩FW鈴木章斗(現湘南)のように高校からプロ入りすることを目指している。「この年で選手権絶対に全国行って、色々な人に見てもらって、高卒でプロに行けるようにしたいですね。まだ全然足りない」と自己分析。課題から目を背けずに成長を続け、目指す姿に近づく。　

(取材・文　吉田太郎)

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