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我慢の後半、横浜FCユースはトップ昇格、U-18代表初招集のCB林賢吾主将が好守を連発

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横浜FCユースのU-18日本代表CB林賢吾主将(3年=横浜FCジュニアユース出身)が勝利と5位浮上に貢献

[11.8 高円宮杯プレミアリーグWEST第13節 横浜FCユース 2-1 静岡学園高 横浜FC
・LEOCトレーニングセンター]

 トップチーム昇格のCBが、相手の猛攻に対する“防波堤”となっていた。横浜FCユースは立ち上がりから相手を押し込むなど前半を2-0で折り返したが、後半は果敢にドリブル、ショートパスにチャレンジする静岡学園高の前に我慢の時間帯が増加。セットプレーから1点を返され、あわや同点のピンチもあった。

 その中で、ウォームアップエリアのサブ組から「ナイス、賢吾!」という声が3度、4度と飛んでいた。CB林賢吾(3年=横浜FCジュニアユース出身)がゴール前で絶妙なカバーリングなど好守を連発。「ある程度追いつけるという距離でカバーに行って、ギリギリのタイミングでスライディングしていました」。責任感を持って守り続け、2-1で試合を終えた。

 チームは前期、一時降格圏に低迷。その中で、林は「最後自分が体を張ってなるべく失点を減らして、(ゴールを)攻撃陣に任せられるように」意識して取り組んできた。前期は11試合中複数失点が7試合。だが、後期は8試合を終えて、2だ。チームはこの日の勝利で5位浮上。守備の立て直しに貢献している林について、小野信義監督も「ゲームの中で貢献できるようになってきたと思っています」と評価していた。

 林は小学生時代の一時期をドイツで過ごし、帰国後、和歌山県のセレソン中之島FCから横浜FCジュニアユースへ進んだ。当時はFW。「和歌山だったら一人上手い子がいればどうにかなる感じだったんですけれども、こっちはパスを回すし、全員が上手いので。パスという部分をあまりしてこなかったので、そういうところで苦労しました」と振り返る。

 その林は中学1年時にSB、同2年時からはCBへ。「自分はめっちゃ上手いという感じじゃないと思うんですけれども、コーチに教えてもらったことを真摯に受け止めて、チャレンジしたり、チームメートからアドバイスしてもらったことを実践したりしたら良い結果に繋がってきた」。そして、今年、横浜FCユースのリーダーとなったCBはトップチーム昇格を勝ち取った。

 高校年代とトップチームとでは、プレー強度やスピード、テンポも違う。レベル差を感じているが、それでも「大変だと思うんですけれども、1年目から出て活躍したいです」。元FWのCBはこの日、縦パスを差し込むなど得意の攻撃面でも存在感。1対1の強さやSBでもプレーできる柔軟性も強みとしている。

「日本代表の冨安(健洋)選手とかアーセナルでSBをやりながら代表でCBとして活躍しているので憧れます。(将来は)プロで活躍して、海外へ行って活躍していきたい」。横浜FCで勝利に貢献し、活躍を続けていつか世界へ。残りわずかなユースチーム生活について、「やるからには(プレミアリーグで)絶対に上の順位、過去最高の順位を目指して頑張りたいですし、個人としても来年からトップに行くので、自分のプレーを突き詰めてやっていきたい」。林はこの日発表されたU-18日本代表スペイン遠征メンバーに初招集。自身の評価も上げてきたDFは、ユースチームでの活動を全力でやり切って、プロ生活をスタートする。

(取材・文 吉田太郎)

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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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