[12.18 MIZUNO CHAMPIONSHIP U-16 3位決定戦 東福岡高 1-0 尚志高 時之栖うさぎ島G]

　全国の強豪16校の1年生が日本一を争った「2023 MIZUNO CHAMPIONSHIP U-16 ルーキーリーグ」は18日、時之栖うさぎ島グラウンド(静岡)で3位決定戦を行い、東福岡高(九州1、福岡)が1-0で尚志高(東北1、福島)に勝利。3位で大会を終えた。

　東福岡は前日の準決勝で2点を先取しながらも、鹿島学園高(関東3、茨城)に逆転負け。GK小林大主将は「(逆転負けから)1日もない時間でチーム全員で切り替えることができて、負けた後の試合はやっぱり一番メンタル的にも厳しい面があったんですけど、そこはチーム全員で声出しあって、前線の選手が1点取ってくれたので、DF陣は最後守り切ることができました」と胸を張る。ショックを引きずることなく、3位決定戦での勝利を全力で目指して白星で大会を終えた。

　尚志がPK戦で敗れた準決勝から先発8人を入れ替えたのに対し、東福岡は先発9人が準決勝と同じメンバー。トラップなどで高い技術力を発揮する10番MF司城大輝や正確なキックが特長のMF長岡観太、前線を追い越す動きを見せるMF西田煌を中心に狭い局面でもボールを繋ぎ、サイド攻撃へ持ち込んだ。

　また、セカンドボールの攻防で優位に立ち、CB佐野遥斗、CB長谷川莉玖の両DFが個の能力の高さを活かした守備対応。対する尚志は、FW臼井蒼悟が鋭い動き出しで相手DFラインの背後を強襲する。また、MF小曽納奏主将らが連動したプレッシングで相手のビルドアップを封じ、ショートカウンターへ。36分には、MF根木翔大のラストパスに臼井が走り込んだが、東福岡GK小林が飛び出して決定機を阻止する。

　東福岡もMF堀田太陽の仕掛けなどでゴール前のシーンを作り出すが、前半は0-0で終了。後半、注目10番MF阿部大翔を投入した尚志は、その阿部が中盤中央でボールを引き出しながら前進する。そして、セットプレーやサイドからの崩しでシュート。だが、東福岡は17分、ボールを正確に繋いで押し込むと、最後は交代出場MF井野悠世がPAでDF間へ割って入り、PKを獲得する。

　このPKをエースFW山口倫生が右足で狙う。尚志GK赤根啓太に一度止められたものの、こぼれ球を自ら右足でゴールへ蹴り込み、1-0。東福岡が先制に成功した。

　尚志は交代出場左SB松澤琉真のダイナミックな攻め上がりなどで反撃。サイドから仕掛けてMF田上真大らがゴールへ迫る回数を増やす。だが、東福岡は小林が「最後はやっぱりチームで声だけは絶対切らさずに、メンタルでは負けないっていうところを集まった時とかに話していて、ピッチ内でも最後まで声が切れてなかったんで、最後まで集中を切らさずに守り切れたと思います」と振り返ったように、最後まで集中力の高い守備。そして、1-0の勝利を喜んだ。

　東福岡の指揮を執った野瀬大熙コーチは「2年後の選手権では優勝という結果が出るように」と期待。また、小林は「1年生の段階では日本一取れなかったんですけど、この全国の経験をしっかり活かして、2年後にまたこの悔しい思いをしないように、しっかり日本一っていうベクトルを変えずに日頃から練習していきたいです」と宣言した。18年、20年大会と並んで過去最高成績タイの3位。これから平岡道浩新監督の下、目標の日本一を達成するための努力を重ねる。

GK小林大主将が表彰を受ける

(取材・文　吉田太郎)