[1.16 練習試合 U17関西 5-6 びわこ成蹊スポーツ大 J-GREEN堺]

　大学生相手に2つのポジションで特長を発揮した。桃山学院高(大阪)MF坂上宗太郎( 2年=セレッソ大阪U-15出身)は、「2023 U17地域トレーニングキャンプ関西」(16、17日)で存在感を放った一人。特にびわこ成蹊スポーツ大との練習試合(30分×4本、16日)ではボランチ、左SHのポジションでそれぞれ活躍をしてのけた。

　練習試合の2本目にボランチとして出場。「みんなで、『前から行こう』って言っていてついて行った」という坂上は、ボールの奪いどころになっていた。危機察知力を強みとするMFは予測し、球際で勇気を持って強く行くことを意識。大学生相手に5度6度とボールを奪い取り、味方の攻撃に結びつけていた。

　本人は、「守備は良かったんですけど、攻撃があんま係れてなくて」と首を振る。チームは30分間で3-0と貢献度は高かったが、攻撃で上手くボールに係れていなかったことを反省。展開する回数を増やすことも課題に挙げていた。

　それでも、左SHとして出場した4本目は攻撃面でアピール。20分、MF福本一太(阪南大高2年)からのラストパスで「自分の得意っていうか、スピード活かして」一気に左中間を抜け出し、左足を振り抜く。対角の一撃をゴールに突き刺し、4本目唯一の得点を挙げた。

　その後、チームでも務めている左SHのポジションで積極的な仕掛け。鋭いドリブルでマークを外していく。最後の局面でDFに引っ掛かってしまうところもあったが、武器であるスピードを攻守で発揮した。

　今回の「2023 U17地域トレーニングキャンプ関西」について、坂上は「もう滅多にもうないんで、もう最後のチャンスと思ってもいいぐらいと思うんで、色々吸収して次に活かせたらなと」意欲を持って参加。ボランチを務めた最終日の紅白戦でも中盤でボール奪取する回数を増やし、前線へ飛び出すなど崩しに係る動きも見せていた。

　C大阪U-15時代は3年時にBチームも経験したが、シーズン終盤にSBやウイングで出場機会を増やして12月の全日本ユース(U-15)選手権で2試合に先発。自宅から近く、練習の雰囲気やサッカースタイルに魅力を感じて桃山学院高へ進学した。主に左サイドを務める一方、昨夏に務めたボランチとしても好プレー。「ボランチやったらキミッヒとか。サイドやったらキエーザ」を理想とし、上を目指して日々を過ごしている。

　今回の活動で吸収したことをチームに持ち帰り、チームメートとともに成長する。そして、「インターハイか選手権どちらかで全国出て、良い結果で1年終われたらなと思います」。昨年の桃山学院は、1年前の関西U-17の活動で存在感を放った大型FW西条将太(3年)を擁して近畿新人戦で4強も、インターハイ大阪府予選はベスト16で同選手権予選もベスト8。坂上が桃山学院を全国へ導き、名を馳せる。

(取材・文　吉田太郎)