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PK戦で活躍するなど選手権準優勝に貢献した2年生守護神。山崎晃輝は近江の勝利、将来の夢のために安定感や勝たせる力を磨く

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近江高の選手権準優勝に貢献したGK山崎晃輝(2年=愛媛FC U-15出身)は「2023 U17地域トレーニングキャンプ関西」でアグレッシブな動き

[1.16 練習試合 U17関西 5-6 びわこ成蹊スポーツ大 J-GREEN堺]

 目標は国立へ戻ること。そして、将来のチャンスも掴む。「2023 U17地域トレーニングキャンプ関西」(16、17日)に第102回全国高校サッカー選手権で準優勝した近江高(滋賀)の守護神、GK山崎晃輝(2年=愛媛FC U-15出身)が参加。16日はびわこ成蹊スポーツ大との練習試合(30分×4本)の3本目と4本目の計40分間プレーした。

 選手権では近江の2年生守護神として活躍。インターハイ3位・日大藤沢高(神奈川)との2回戦、インターハイ優勝校・明秀日立高(茨城)との3回戦でいずれもPK戦のヒーローになった。大舞台で抜群の勝負強さを発揮。また、安定したシュートストップやキャッチングで過去最高成績が2回戦だったチームの快進撃を支えた。

 国立決勝での敗戦後、「またこのピッチに帰ってきたい」と誓っていた守護神は、地元・愛媛県への帰省を挟んで新たなスタート。「(愛媛では)知らない子とかからも声を掛けてもらって。(また、)SNSとかで自分がPK止めたシーンであったり、そういうのが流れて来て色んなコメントがあると思うんですけど、自分は気にせずにやっています。でも、やっぱり、(選手権の)影響力っていうのは、凄いモノがあります」。選手権の影響力によって注目度が高まったことを実感。だが、緩むことなく、目標に向かって自分自身を高めようとしている。

 山崎は全国大会で年代別日本代表やJクラブ内定選手と対戦するなど、強豪校との5試合に出場。その経験も活きたか、「2023 U17地域トレーニングキャンプ関西」では堂々とした動きを見せていた。

 身体を投げ出して相手の攻撃を阻止。また、初日の練習試合で特に印象的だったのが、コーチングだ。「第一印象で『多分、コイツ何か持ってるな』みたいな、そういうのを出したかったんで。今日は頑張って、コーチングの部分であったりとか明るく振る舞っていました」。同じ形からの失点を喫するなど、本人にとっても悔しい結果だったはずだが、下を向かずに明るく振る舞い、チームを前向きにしていた。

 選手権のパフォーマンスには決して満足をしていない。「あの大会はチームとしては、良い経験であったり、良い結果が出せたと思います。でも、個人的には日大藤沢、明秀日立のPKのところだけ見られたら良かったって見られ方もあると思うんですけど、試合通して見ていく中で自分の甘さだったりとか出て、失点のところに絡んだりしてしまったりとかあったんで、自分の未熟さが出たかなって思います」。PK戦以外でも好守を見せていたが、それは選手権の雰囲気に引き出してもらったという考え。山崎は成長することの必要性を感じている。

 だからこそ、自力を高めて「より安定感の増したGKになって、チームを勝たせられるGKになっていきたい」。今回の「2023 U17地域トレーニングキャンプ関西」で佐野智之GKコーチ(G大阪ユース)らに指摘された部分などを改善すること。そして、将来のためにこの一年は結果にもこだわっていく考えだ。

「まず大学に行って、大学4年の時に、プロになれるかなれないかで、自分的にはプロに。自分、中学の頃、愛媛に育ててもらって、学んで……だから『愛媛で、プロになりたい』なと思っています。自分、身長が高い方じゃないんで、自分の武器っていうのを磨いて、頭の中を整理して、自分の武器ってのをもっと磨いていったら、結果がついてくるのかなと思っています」。特別なサイズが無いからこそ、GKとしてのスキルや頭で勝負する。

 選手権で大躍進を遂げた近江は今年、ライバルたちからターゲットとされる立場。「滋賀県大会で言ったら、全部連覇がかかってる大会なので、責任っていうのは今までの代よりもかかっている。やっと近江が滋賀のタイトルを落とせないようなチームになってきたんで、(今後の近江のためにも)絶対に落とせないと思ってます」。将来のため、また国立のピッチに戻るためにも、経験と白星を積み重ねる一年に。多くの経験をさせてくれた先輩たちのような存在になって、近江を勝利へ導く。

(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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