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日本高校選抜候補がアピールと成長を目指して日体大と練習試合。CB小泉、FW高岡、FW堀、FW山本のゴールで4-1勝利

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1本目27分、日本高校選抜候補の選手たちがCB小泉佳絃(青森山田高3年)のゴールを喜ぶ

[1.21 練習試合 日本高校選抜候補 4-1 日本体育大]

 選手権のヒーローたちで構成された日本高校選抜候補が、大学生に快勝! 静岡県内で選考合宿中の日本高校選抜候補は21日、日本体育大と練習試合(25分×4本)を行い、4-1で快勝した。

 1本目、日本高校選抜候補はGK雨野颯真(前橋育英高3年)、右SB野田隼太郎(藤枝東高3年)、CB小泉佳絃(青森山田高3年)、CB塩川桜道(流通経済大柏高3年)、左SB市川和弥(尚志高3年)、MF神田拓人(尚志高3年)とMF長準喜(昌平高3年)のダブルボランチ、トップ下にMF芝田玲(青森山田高3年)、右SH松田悠世(桐光学園高3年)、左SH名和田我空(神村学園高2年)、1トップに網代陽勇(尚志高3年)という11人でスタート。関東大学選抜のMF菅野隆星(3年=G大阪ユース)らが出場した日体大に対し、日本高校選抜は昨年のU-17日本高校選抜を経験しているメンバーで戦い、1-0で25分間を終えた。

 雨の影響で多くの水を含んだピッチに苦戦。また、CB小笠原広将(2年=市立船橋高)ら強度の高い日体大に押し返される時間帯も少なくなかった。それでも、世代屈指の“ボールハンター”神田が、「自分の長所を出すことを意識していた」という通り、相手のボールホルダーへ鋭いアプローチを連発。味方との連係で奪いどころになっていたほか、最終ラインも選手権で活躍した小泉を中心に隙を見せない。

 攻撃面では、U-17日本代表としてU-17ワールドカップを戦った左SH名和田が中央で組み立てに係る回数を増やし、網代や松田がラストパス、シュートへ持ち込む。そして、終了間際の23分、右CKのクリアを拾った芝田がゴール前へボールを入れると、小泉が右足ダイレクトでゴールを破った。「『山田のホットラインだな』っていうのを芝田から言われて、本当いいボールをくれたんで、決めるだけって感じでした」と小泉。選手権3得点の大型CBのゴールによって1-0で制し、2本目以降の選手たちも続いた。

 2本目はGK鈴木将永(青森山田高3年)、右SB野田、CB渡邉優空(尚志高3年)、CB山本虎(青森山田高3年)、左SB布施克真(日大藤沢高2年)、MF太田隼剛(市立船橋高3年)と名和田のダブルボランチ、右SH杉本英誉(青森山田高3年)、左SH高岡伶颯(日章学園高2年)、FW水永直太朗(東海大大阪仰星高3年)、FW小田晄平(昌平高3年)の11人で戦った。

 日本高校選抜候補は2本目もU-17ワールドカップ4得点の高岡をはじめ、前から積極的な攻守。太田や布施のところでボールを奪い取っていたほか、対人に強い山本や190cmの高さを持つ渡邉ら各選手が特長を発揮。水永のラストパスから高岡が左足を振り抜き、杉本がドリブルから左足シュートへ持ち込む。

 5分には右サイドの杉本が縦に仕掛けて柔らかいクロス。これをファーサイドの高岡が抜群の跳躍力でヘディングシュートを撃ち込む。日体大DFがかき出そうとしたが、ゴールラインを越えたという判定で2-0。その後はミスでボールを奪われ、自陣でセットプレーを与える回数も増えた。それでも、相手のCKを渡邉が連続で弾き返し、セカンドボールの攻防でも健闘。リードしたまま25分間を終えた。

 悪天候を考慮し、30分間間隔を開けて実施された3本目。日本高校選抜候補はGK平塚仁(岡山学芸館高3年)、右SB梶磨佐志(米子北高3年)、CB五来凌空(市立船橋高3年)、CB尾崎凱琉(大阪桐蔭高3年)、左SB金山耀太(近江高3年)、MF吉田裕哉(明秀日立高3年)、MF西川桂太(京都橘高3年)のダブルボランチ、右SH中村健太(堀越高3年)、左SH北藤朔(神戸弘陵高3年)、そして、FW宮下拓弥(桐光学園高3年)、FW堀颯汰(帝京長岡高3年)の11人で戦った。

 日体大も3本目からメンバーを大きく変更。日本高校選抜候補は奪いどころが低くなり、押し込まれる時間帯が続いた。それでも、14分に尾崎の縦パスからドリブルで仕掛けた北藤が切り返しでさらにDFをかわして決定的な左足シュート。さらにボールを保持し、左SB金山が攻撃に係る回数を増やすなど、押し返して見せる。

 そして、16分には左サイドでボールを受けた北藤がPA深くまで切れ込む。最後はゴールエリアへのクロスを堀が頭でネットへ押し込んだ。DF陣がゴール前で粘り強く守り、3本目も1-0(合計3-0)。GK中浦悠大(京都橘高3年)、右SB梶、CB八巻涼真(浜松開誠館高3年)、CB池戸柊宇(京都橘高3年)、左SB西川、吉田と堀のダブルボランチ、右SH臼田成那(明桜高3年)、左SH宮川昇太(佐賀東高3年)、FW山本吟侍(高川学園高3年)、FW小嵐理翔(実践学園高3年)で臨んだ4本目の選手たちもモチベーション高く戦った。

 7分には、DFの跳ね返したボールから一気に相手最終ラインの背後を突いた山本が右足でゴール。堀が本職ではないボランチでも技術力を発揮するなど、普段と異なるポジションで起用された選手も奮闘した。だが、球際のバトルや1対1で苦戦するシーンも見られ、MF近藤広琉(1年=松本U-18)にゴールを奪われてしまう。それでも4本目の選手たちも25分間を1-1で終了。合計4-1で勝利した。

 勝つことももちろん大事だが、選手たちにとっては選考合宿で何ができるのかアピールことがより重要。また、塩川が空中戦で1度競り負けたシーンを振り返り、「もう1回見直してやっていかないといけないなっていうのは、大学生相手で感じました」とコメントしたように、チームメートや対戦相手から刺激を受けて成長する機会にしなければならない。日本高校選抜入り、また成長することを目指す選考合宿は残り2日。選手たちは後悔することなく2日間をやり切る。

(取材・文 吉田太郎)


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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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