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ユース取材ライターの川端暁彦記者と森田将義記者が選ぶ「東北新人11傑」

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東北新人大会を取材した川端記者、森田記者が推薦するDF星慶次郎(尚志高2年)

 第23回東北高校新人サッカー選手権大会 (男子)は尚志高(福島1)が優勝を飾りました。サッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』元編集長で育成年代からJリーグまで幅広く取材する川端暁彦氏と関西を中心にジュニアから大学生、Jリーグまで精力的に取材する森田将義氏は例年と同じく“東北新人”全日程を取材。その両氏に“東北新人”で印象的なプレーを見せた11人を紹介してもらいます。

川端暁彦記者「Jヴィレッジ誕生と共に始まった東北高校サッカー新人選手権大会は、この時期に東北地域の有力校が一堂に会する貴重な機会です。雪の影響で練習できない、インフルエンザ流行の直撃を受けたなど各校それぞれの難しさもあったようですが、その中でも士気高く奮戦を見せた選手たち11名を森田記者と共同でピックアップしてみました」

森田将義記者「今年の東北新人でも、2024年の高校サッカーシーンを盛り上げてくれそうな選手を数多く見ることができました。主役級となりえる可能性を秘めた選手だけでなく、派手さはないもののチームにとって効果的なプレーができる選手などキャラクターは様々。今回は見ていて印象的だった選手の中から、高校以降のステージで活躍できる可能性を感じた選手をピックアップしました」

以下、川端記者と森田記者が選出した11名
GK村上斗粋(帝京安積高2年)
チームを初のファイナルまで引っ張り上げる原動力になった守護神。戦う中で自信も掴んだのか、小田晃監督も「ちょっと驚かされた」と語るほどのプレーを見せた。高さを活かしたクロス対応などに加え、後ろからの「声」も光った。

DF小沼蒼珠(青森山田高2年)
コンディション不良のため大会直前に合流、ぶっつけ本番に近い形だったが、持ち前の両足からのキック、1対1の粘りを披露。無念の敗退後は「自分が熱くなりすぎて空回りした」ことを敗因に挙げ、さらなる成長を誓った。

DF菊池晃太(遠野高2年)
昨年の選手権は怪我もあり、出場時間が短かったが、CBとしての実力は確か。182cmの身長を生かしたヘディングでの跳ね返しに加え、背後へのボールに対する処理も落ち着いている。粘り強い戦いを支え、準決勝進出の立役者となった。

DF平野瑛大(帝京安積高2年)
鹿島JY時代はサイドハーフだったが、高校で左SBに転向。昨年からはチーム事情もあってCBとしてプレーするが、後方でのプレーであっても攻撃力は色あせない。効果的に長短のパスを使い分け、アタッカー陣の良さを引き出す。

DF星慶次郎(尚志高2年)
登録はDFながら、主にボランチとしてプレー。「守備の部分を考えての起用」と仲村浩二監督が語る通り、最終ラインを助ける中盤の掃除役として機能。玄人好みの渋いプレーで確かな貢献を見せ、優勝に貢献してみせた。

MF高橋響希(尚志高2年)
尚志の舵取り役としてパスワークの中枢を担い、攻守に貢献。特に山場だった青森山田との準決勝で、相手のプレッシャーに動じぬハイパフォーマンスを見せた。課題にしてきたフィジカル面も向上し、球際の戦いでも成長を見せた。

MF大内完介(尚志高2年)
昨年は開幕からAチームに絡むも、骨折で離脱。悔しさを募らせながら、セカンドチームで奮闘し、結果も積み上げた。「自信がある」と語る鋭い左足のキック、技巧的なドリブルなど確実に“違い”を作り、初優勝へ大きく貢献。

MF仲大和(帝京安積高2年)
対人の強さと豊富な運動量が魅力。3日で4試合というタフな日程でも、試合終盤までボールハントと組み立てを繰り返した。「凄くハードワークしていた。こんなに頑張れるんだというのは良い意味での発見」と小田晃監督も高評価。

MF馬場大瀬(遠野高2年)
インターハイと選手権で県内2冠を達成した昨年の代から定位置を掴んだ実力者。トップ下からボランチに持ち場を移した今年は長所であるパスで攻撃のテンポとチャンスを生み出した。課題だった守備でもセカンドボールを上手く回収。

FW長坂隼汰(尚志高2年)
身長は165cmだが、攻撃センスはピカイチ。タイミングよくギャップでボールを引き出し、相手の逆を取りながら前進しつつ点に絡める。仲村浩二監督が「小さい子がどれだけ通用していくか成長が見たい」と期待を寄せるアタッカーだ。

FW成田涼雅(八戸学院野辺地西高2年)
50mを6秒1で走る快足が持ち味。落ち着いたフィニッシュワークも目を惹き、県内のライバル校である正木昌宣監督も一目置く。今大会は2回戦でアシストを記録するなど随所で持ち味を披露し、自らの存在をアピールした。
川端暁彦
Text by 川端暁彦
森田将義
Text by 森田将義

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