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[新人戦]「プライドを取り戻す」目標を実現。新生・滝川ニが8年ぶりの兵庫制覇

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滝川ニ高が8年ぶりの兵庫県新人大会優勝

[2.4 兵庫県高校新人大会決勝 滝川ニ高 2-1 報徳学園高 アスパ五色メイン]

2月4日、令和5年度兵庫県高等学校サッカー新人大会の決勝戦が五色台運動公園アスパ五色メイングラウンドで行われた。決勝戦に勝ち進んできたのは、滝川二高報徳学園高。滝川二は、準決勝で三田学園高に先制を許したが、試合終了間際の後半35+3分に同点に追いつき、PK戦の末に勝利。報徳学園は、準決勝で神戸弘陵高に1-0で競り勝ってきた。

 開始早々の6分、滝川二は、自陣でボールを奪ったMF松元大智(2年)が自らスピーディーに相手陣内にドリブルで入って行ったことをきっかけに、流れるようなパスワークからゴール前へとクロスを入れたところでPKを獲得。キッカーを務めたMF三宅蔵ノ助(2年)が力強く枠に蹴り込み、先制した。

 追う展開になった報徳学園は、その後も相手にチャンスを作られはしたものの、球際でも粘り強く対応し、追加点を許さず。30分にはMF椎山寛大(2年)のスルーパスに反応したFW堀田誠之助(1年)がPKを獲得。これをMF中嶌大和(2年)が右隅に収め、同点に追いついた。

 両チーム共に、優勝を手繰り寄せる1点がほしい後半戦。互いに追加点を目指す中、10分にスコアボードを動かしたのは、滝川二。左サイドからFW空久保善(1年)が放ったシュートは、一旦は弾き返されたものの、それをMF横田圭佑(2年)が詰め、ゴールネットを揺らした。報徳学園は、セットプレーのチャンスも多く作り、最後まで諦めることなくゴールを目指したが、追いつくことができずにタイムアップ。滝川二が2-1で勝利した。

 準優勝となった報徳学園は、新人戦では今回が初めての決勝の舞台だった。タイトルを取り逃がした悔しさがあることも認めつつ、「これが1年間の最後の試合でなくて良かった、と捉えることもできる」と話した高田秀一監督。「今年のチームの魅力は、ハート。最後の最後で敗れる悔しさをここで味わったことで、夏や冬に全国を目指す糧になる。ハートが魅力的な選手ばかりなので、これから彼らと一緒にさらに意識を高く持って練習していけることが楽しみ」だと、選手たちへの信頼と今後への期待を語った。

 滝川二の新人戦での優勝は、荒天のため決勝戦が行われずに神戸弘陵と両校優勝となった平成27年度大会以来、単独での優勝は平成23年大会以来となる。今大会より公式戦で指揮を執った小森康宏新監督は、滝川二が亀谷誠前監督の指揮の下でプリンスリーグ関西への昇格を掴み取ったプレーオフの翌日より着任。年末年始のオフ期間を除くと1か月ほどの指導期間ではあったが、滝川二の「プライドを取り戻す」ことを目標に、今大会に臨んだ。

 目標通りにプライドを取り戻すタイトルを獲得すると同時に、「2年生と1年生がうまく連携を取れるようになってくれればと思って選手起用していたが、うまく融合してくれた」ことも、この先へ繋がる収穫となった。

「先制した時間が早かったことで少し気が緩んでしまった部分もあったので、それは改善していきたい」と反省点も語っていたキャプテンの三宅。まだ成長すべき部分はあれど、「僅差で競り勝って優勝できたので、今年は勝負強さがあるチーム」(三宅)であることを強みに、滝川二は兵庫県での3冠を目標に今年を戦う。

(取材・文 前田カオリ)

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