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腐らず「自分が一番に」の思いで取り組んできたGK鈴木将永(青森山田)、13日始動の日本高校選抜活動も成長の機会に

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GK鈴木将永(青森山田高3年)は日本高校選抜の活動でも貪欲に成長を目指す

 13日、日本高校サッカー選抜がFUJIFILM SUPER CUP 2024 「NEXT GENERATION MATCH」(2月17日、国立)へ向けて神奈川県内で合宿をスタートした。フィールドプレーヤーは5対5のミニゲーム、GKグループはクロス対応などのトレーニングをそれぞれ実施。青森山田高の守護神として第102回全国高校サッカー選手権で優勝しているGK鈴木将永(3年)は、日本高校選抜の活動で成長することを誓った。

「本当にレベルの高い選手が集まった中で、良い雰囲気の中でやれている。やっぱり選ばれたっていう責任もありますし、自分としても一つ、二つ成長をして、というところも意識してやっています。何より、この合宿を良いものとして、終われるようにしたいです」

 メンバーの23人は、1月の選考合宿を経て選ばれた選手たち。この合宿から「NEXT GENERATION MATCH」、「第38回デンソーカップチャレンジサッカー 福島大会」(2月27日~3月2日、Jヴィレッジ)、そして最終18人で臨む欧州遠征(3月下旬~)へ向けたチーム作りが進められる。

 今回の日本高校選抜は、鈴木ら選手権で優勝した青森山田の5選手やU-19日本代表MF神田拓人(尚志高3年)、U-17ワールドカップで活躍したMF名和田我空(神村学園高2年)、FW高岡伶颯(日章学園高2年)ら高体連を代表する選手たちが集結。指揮を執る米澤一成監督(京都橘高)が考えているのは、それぞれの特長が活きる、また多様な戦い方ができるチーム作りだ。

「トータルで色んなことができるようなチームになれたら。これだけ良さのある選手がいるので、みんなが活きるような形になればなっていうのは、理想ですけれど、そう思っています」と指揮官はコメントした。各選手が選抜チームで何ができるのか、また選手同士の相性や順応する力などもチェックしながら、デンソーカップチャレンジまで23選手を満遍なく起用する模様。もちろん、勝利を大前提にしながら、選手たちの成長を求めていく。

「お互いに刺激を受けると思うので、選手同士が。良い刺激を受けて、もうすでに大学に行ってる子たちもいるので、高校での良い部分、大学でもちょっと今かじって来てる良い部分をここで出してくれたら。彼らは色々な可能性があって、今後も大学選抜でやったり、一緒になる可能性もあるような選手だと思うので、だから良い結果を残してあげたい」と米澤監督。選手たちもこの活動を将来に繋げる意気込みだ。

 鈴木は「この期間、(他の高校3年生は)休む選手ももちろんたくさんいる中で、高校選抜に選ばれて成長の機会をもらってるっていうのは凄く良いことだと思うので、そこをポジティブに捉えて、自分の成長っていうものにしっかり目を向けてやっていけたら。自分の足りないところを上げていけるっていう部分で考えたら凄いプラスだと思うので、できないことをできるようにするっていうところも意識してやっていきたい」と力を込めた。

 鈴木は選手権の2度のPK戦で活躍するなど青森山田の選手権制覇に大きく貢献。思うようなプレーができないことも多かったようだが、地道にトレーニングをしてきた成果を大舞台で発揮した。「小さい頃から、(青森山田)中学校の時から自分は凄く下手くそだけど、周りはレベル高いみたいな。そういう環境の中で腐らずに、『今はレベルの差があるかもしれないけど、将来的には自分が1番になるんだ』っていうくらいの強い気持ちを持って今までやってきたんで、国立とかの大きい舞台になっても、逆に楽しめるような感じだったんで、自分のためになった山田でのサッカー人生だったと思います」。選手権後も青森山田でトレーニングを重ねてきた守護神は、日本高校選抜の各試合、一回一回のトレーニングも無駄にせずに取り組んでいく。

「GKというポジションはいかに失点をゼロに近づけれるかっていうのはもちろん大事ですし、試合の中でも自分が一番後ろからリーダーシップを持ってチームを引っ張っていけるような、そういう選手に(高校選抜の活動を通して)なっていきたいです」

 まずは、青森山田で2戦2勝と「慣れている」国立競技場での「NEXT GENERATION MATCH」(対神戸U-18)へ準備。チームメートとのコミュニケーションも重視しながら、この活動で成長と結果の両方を掴む。

(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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