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欧州遠征メンバー入りを狙う日本高校選抜GK平塚仁(岡山学芸館)。課題改善に取り組み、自分の武器で「差を見せつける」

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日本高校選抜GK平塚仁(岡山学芸館高3年)は守備範囲の広さを発揮するなど好プレーを見せた

[2.15 練習試合 日本高校選抜 1-2桐蔭横浜大]

 競争を勝ち抜く。GK平塚仁(岡山学芸館高3年)は、昨年のU-17日本高校選抜に続き、今年も選考合宿を突破して日本高校選抜の活動に参加。選手権、プレミアリーグ2冠のGK鈴木将永(青森山田高3年)、U-17日本代表歴を持つGK雨野颯真(前橋育英高3年)とGKのポジションを争っている。

 今回、日本高校選抜メンバーの23名に選ばれているものの、欧州遠征メンバーは18名。例年通りであれば、GKは3名から2名へと絞られる。平塚はその2枠に入り、日本高校選抜の選手にしかできない貴重な経験を得る意気込みだ。

 この日の桐蔭横浜大戦は、30分間プレー。ミドルレンジからの枠を捉えたシュートを「DFが結構良い寄せをしてくれて、コース限定できてたんで。大体来る場所は分かりました」と好反応でセーブし、DF背後へ抜け出してきた相手との距離を詰め、ブロックした。

 チームは球際で強度高く戦っていた一方で背後のスペースを狙われるシーンも。その中で平塚は的確な動きを見せ、「背後のボールを結構処理できていた。他のキーパーと差を見せつけるところかなと思いました」と頷いた。

 シュートセーブは鈴木も、雨野もハイレベル。「自分の中でも少し劣っているかなって感じていて、そこの差を埋めていかないと選ばれないと思う」。差を縮めることに加え、自分の特長である足元の技術や守備範囲の広さで差をつけなければならない。

 平塚は選手権でも高く評価されたロングフィードに加え、ビルドアップでCB間にポジションを取って、アンカーのような役割をすることもできる。この日、無失点で終えることができなかったために満足はしていなかったが、随所で好プレー。そのGKは岡山学芸館のためにも最終18名入りを目指していく。

「学芸館のスタッフや、選手たちにも結構、応援してもらっている。学芸館を背負って、応援してくれている人のためにも頑張りたいっていうのは、チームを代表している分、あります」

 22年度の選手権では、準決勝のPK戦で神村学園高FW福田師王(現ボルシアMG)のシュートを止めるなど日本一に貢献し、注目度を高めた。国立競技場で開催される「NEXT GENERATION MATCH」(2月17日)で再び聖地に立ちたいという気持ちもあるが、それ以上にこだわっているのが欧州遠征メンバーに入ることだ。

「国立に立ちたいとか、デンソー(カップチャレンジ)で活躍したいっていう気持ちがありますけれども、最終的なところは、ドイツに行って海外経験を積むこと。これからのサッカー人生でも大事になってくると思うので、今、国立に立つというよりかは、ドイツに向けてのアピールっていう部分が自分の中では一番大きいです」。一日一日の活動を無駄にすることなく、全力で取り組み、トータルで評価を勝ち取る考えだ。

 岡山学芸館の3年間では日本一も、悔しい敗戦も経験した。「サッカーだけじゃなく、私生活でも最初は結構甘い部分が多かった中で、私生活で3年生になる頃にはしっかり自立できるようになって、それがやっぱりプレーにも表れたと思う。私生活とサッカーとの繋がりっていう部分は、実際に体験して知ることができましたし、(明治大での)大学4年間でもっと人間性を高めてやっていけたらいい。(ライバルたちに負けること無く、)4年間ひたむきに取り組んでいきたいです」。将来のためにも日本高校選抜での活動を充実したものとし、成長に結びつける。

(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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