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[新人戦]選手権8強の財産も力に。佐賀東が新10番MF大島弘賀のゴールなどで九州準々決勝進出

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後半12分、佐賀東高の10番FW大島弘賀(右端)が決めて2-0

[2.18 九州高校新人大会予選リーグ第3節 佐賀東高 2-0 鹿児島城西高 鹿児島県立サッカーラグビーA]

 KYFA男子第45回九州高等学校(U-17)サッカー大会は18日、予選リーグ最終節を行い、佐賀東高(佐賀1)が鹿児島城西高(鹿児島1)に2-0で勝利。佐賀東は1勝2分の第1ブロック2位に食い込み、決勝トーナメント進出を決めた。

 佐賀東が、自力で決勝トーナメント進出を決めた。今大会の佐賀東は、長崎日大高(長崎2)との初戦と福岡大若葉高(福岡2)との第2戦でいずれも後半アディショナルタイムに追いついて執念のドロー。ブロック2位で迎えた最終節、自力で決勝トーナメントへ進出するためには勝つしかなかった。

 10番FW大島弘賀(2年)は、「やっぱり相手より勝つ気持ちがあれば勝てるっていうのも選手権でほんと凄く感じて、今日の試合前にみんなにそういう話をして、やっぱり去年のチームは全員が勝ちたいって気持ちを持ってたから、自然とゴール前でも体張れるし、シュートの1歩でも足出るしっていう。自分たちが勝ちたいって気持ち持っていれば、そういうプレーも自然と出るからっていう話はチームにはしていました」と振り返る。

 公立の名門校・佐賀東は今冬の選手権で初のベスト8進出。新主将でU-17日本高校選抜候補の右SB田中佑磨(2年)、CB甲斐桜助(2年)、CB後藤光輝(2年)、U-17日本高校選抜候補左SB江頭瀬南(2年)の4バックとGK中里好佑(2年)、そして大島と先発6人を残す今年は経験値の高いチームだ。

 2戦2勝ですでに決勝トーナメント進出を決めている鹿児島城西に対し、佐賀東は気持ちの入った戦い。前半から田中と江頭の両SBの配球を軸に主導権を握って試合を進めるが、ラストの質を欠いたり、クロスバーに阻まれるなどチャンスを活かすことができない。

 ただし、蒲原晶昭監督は「(選手たちが)ハーフタイムの時に言ってたのが、『ずっといいチャンスが続いてるけど、後ろ我慢しないと。堀越みたいなことにならないよ』と」と明かす。選手権は国立準決勝をかけた準決勝で堀越高(東京)と対戦。優勢に試合を進めながらも決めきることができず、相手に少ないチャンスを決められて1-2で敗れている。

 集中すること、我慢することを再確認したチームは後半開始直後に先制点。5分、宮崎の左CKから甲斐桜が豪快なヘディングシュートを放つ。これは鹿児島城西GK藤吉純誠主将(2年)の好守に阻まれたが、こぼれ球を繋ぐと、最後はMF中村琥道(2年)が右足シュートをゴールに突き刺した。

 蒲原監督は「まだ(チーム作りの途中で)レギュラーがいないから、誰がどうやって活躍するか分からない状況なんで、出た時は頑張ってやれって言っている」と説明したが、前日の予選リーグ第2節から先発チャンスを得た中村が大仕事。さらにエースの自覚を持つ10番が追加点を叩き出した。

 後半12分、右CKの流れから中村のループパスに大島が反応。豪快な左足シュートをネットに突き刺した。ボランチからFWへポジションを移し、3戦連発の大島は「攻撃の選手で去年から出てるのが自分しかいないんで、そういった意味では自分がやっぱりプレーでも引っ張らないとなっていうのは思っています。得点感覚っていうか、ここに来そうだなっていうのがあるんで、今日もその一発をちゃんと仕留められてたんで、それが良かった」。後半は鹿児島城西もギアを上げてきていたが、田中が対人守備の強さを発揮したほか、宮崎が相手のU-16日本代表FW大石脩斗(1年)に空中戦で競り勝って見せるなど最後まで集中力は途切れなかった。

 佐賀東が選手権で得た“財産”も力に2-0で勝ち、準々決勝進出。選手権後、準備期間がほとんどないままに迎えた新人戦は色々な組み合わせを試している段階だ。まだまだ意図が合わないシーンや、力を出し切れていない選手も多いが、その中で元CBのFW{{石川僚祐{{(1年)を起点とした攻撃など、チームとしてやれることを増やしている。

 ここからの厳しい戦いで揉まれながら、よりチーム力を高めていく。鹿児島県出身の大島は、「(この九州大会は)地元の人も結構 来てくれてて、昨日も小学校の恩師とかたくさん見に来て、それも結構大きかったです。そういう人たちの前でしっかり結果残したいっていう気持ちが強かった」とコメント。公立校対決となった準々決勝の国見高(長崎1)戦も勝利し、応援してくれる人々にまた応える。

(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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