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[新人戦]飯塚の1年生MF保科剛がU-16日本代表初選出!献身的に戦うボランチは「世界を驚かせる球際」で勝負

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飯塚高(福岡1)のMF保科剛(1年=CAグランロッサ出身)はU-16日本代表に初選出された

[2.17 九州高校新人大会予選リーグ第2節 飯塚高 1-0 那覇西高 ふれあいスポーツランド 芝生広場]

 トレセン歴は小学生時代に少しあるくらいというボランチが、U-16日本代表に大抜擢だ。今月16日にU-16日本代表トルコ遠征メンバーが発表され、飯塚高(福岡1)のMF保科剛(1年=CAグランロッサ出身)が初選出。その保科が、KYFA男子第45回九州高等学校(U-17)サッカー大会に出場し、チームの準々決勝進出に貢献した。

 飯塚は今大会、メンバーをシャッフルしながらの戦い。保科は初戦で出場機会がなく、那覇西高(沖縄2)との第2戦で先発フル出場した。その保科は、最大の持ち味であるボール奪取力を発揮。「今日、(ボールを)分捕ってやりました」と微笑むボランチは球際で深く身体を入れてインターセプトし、身体を投げ出してテクニカルな那覇西の攻撃を食い止めていた。

 保科は昨年の「ニューバランスチャンピオンシップ 2023 U-16」(静岡)で抜群の守備強度を発揮するなど、飯塚を優勝へ導き、大会MVPを獲得。「トレセンは(小学生の時に区トレセン歴があるくらいで)全く行っていないです」と本人はいうが、08年早生まれの保科について、現U-16日本代表の廣山望監督は早くから注目していた。

 世界と戦う上で、保科の持つ出力の高さは貴重。1年生MFは2年連続選手権出場の強豪校で公式戦出場の機会をなかなか掴めなかった。だが、「去年よりもボールが取れるようになった」ボランチは新チームで出場機会を増加。廣山監督は福岡県高校新人大会を視察し、招集を決断したようだ。

 選出の一報を受けた瞬間について、保科は「もう、『え!?』みたいな。『ほんと、俺が!?』みたいな感じだったんすけど、2分ぐらいして、『あ、やっぱ俺やな』と思って」と振り返る。そして、「(トレセンには選ばれていなかったが、)日本が見てくれて良かった」と喜んだ。

 そして、「(代表チームの存在は、)上は上やったんすけど、『俺も行けるな』と思ってて、ずっと。ほんと行けて、夢が叶いました、1個目の。もう1個の夢はプロになることで。3個目の夢がブランド作ることです」と笑顔で夢を語った。

 海外へ行くのも初めてで、パスポートを取得したばかり。初の代表活動では、怯むこと無く、自分の特長を存分に発揮するつもりだ。「もうボール奪って、戦って、走ってという、みんながあまりやりたくないところをやれるから、やっぱそこがチームに必要かなと多分日本が思っていると思う。世界を驚かせる球際。南米より行っちゃうみたいな球際をしたい」。ボールを刈り取る動きは本能的なモノ。そこからボールを味方に繋ぎ、スプリントしてゴールを奪うイメージまでできている。

 ボールを奪った後に運ぶことや繋ぐこと、切り替えの速さもまだまだ課題。代表チームでは判断面含めて苦戦することや学ぶことも多いだろうが、アピールと今後にも繋がるような活動にする。まずは飯塚での九州大会に集中。「周りの目とか関係なしに、チームが勝つためにみんなが嫌がる仕事を頑張ってやって、チームを勝たせれたらと思います」。準々決勝で対戦する大津高など強豪校との戦いで自信をつけて、U-16日本代表の活動に合流する。

(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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