[1.4 選手権準々決勝 堀越 2-1 佐賀東 柏の葉]

　あふれる涙を止めることはできなかった。史上初のベスト4進出を果たせたなかった佐賀東高DF田中佑磨(2年)は「自分たち2年生が何もできなかった」と声を落とした。

　佐賀東の最終ラインは右から田中佑磨、DF後藤光輝(2年)、DF甲斐桜助(2年)、DF江頭瀬南(2年)で形成され、さらに最後方に構えるGK中里好佑(2年)も含めて、守備陣は2年生が顔を並べる。中盤から前では、ボランチの一角を2年生のMF大島弘賀が担うものの、その他のスタートポジションには3年生が入っていた。

　試合は前半19分にミドルシュートを叩き込まれて堀越に先制を許すと、後半27分に最終ラインの裏を突かれて追加点を献上。その後、猛攻をかけて33分にFW田口大翔(3年)のゴールで1点差に詰め寄ったものの、反撃はここまで。1-2のまま試合終了のホイッスルが吹かれ、チームはベスト8敗退となった。

「負けを味わっただけでなく、3年生のために自分たち2年生が何もできなかたっという実感があり、思わず涙してしまった。悔しい気持ちもあったけど、3年生から『2年生には来年もチャンスがある』と言われた瞬間に、自分が来年は後輩たちを引っ張っていくしかない気持ちになった」

　チームを率いる蒲原晶昭監督も、「後ろが全部2年生なので、来年ここに帰ってきて、さらに良いサッカーができるようになればいい」と、今年1年間守備陣を形成してきた選手たちのさらなる奮起に期待。その気持ちは田中佑磨も同様に持っている。「1年間、2年生でGKを含めて最終ラインを形成して、コミュニケーションや守備の堅さはついた。4バック+GKは良い関係を築けているので、来年は守備で全国で無失点するくらいのパワーを持ち、さらに攻撃ではもっとバリエーションを増やしたポゼッションサッカーをしていきたい」と力強く決意を表した。

(取材・文　折戸岳彦)

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