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[新人戦]日章学園が4-0で九州3位。日常を変えてより強度高く、互いに求め合うチームに

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前半17分、日章学園高がDF藤山真(2番)のゴールを喜ぶ

[2.20九州高校新人大会3位決定戦 佐賀東高 0-4 日章学園高 白波スタ]

 KYFA男子第45回九州高等学校(U-17)サッカー大会3位決定戦が20日に白波スタジアム(鹿児島)で行われ、日章学園高(宮崎2)が佐賀東高(佐賀1)に4-0で快勝。過去最高成績タイとなる3位で大会を終えた。

 ともに今大会6試合目。日章学園ベンチの原啓太監督からは「相手も一緒やろ!6試合目は!」という声も飛ぶ中、選手たちは力を振り絞って走り続けた。互いに主軸の怪我もあって限られたメンバー構成。その中で日章学園は日本高校選抜活動後の19日から参加したFW高岡伶颯主将(2年)や右WBとして先発したFW水田祥太朗(2年)を中心に運動量を増やした。

 前からの攻守で前半は被シュートゼロと佐賀東のビルドアップを封鎖。そして、前半17分に今大会4戦連発中のMF南創太(2年)の右CKからDF藤山真(1年)がヘディングシュートを決め、先制した。

 日章学園の原監督は、攻守で高さを発揮した藤山について「(守備で)人にはちょっと無理が利くし、ヘディングも強いんで。まだ1年生だから色々大きく育てたい」とコメント。さらに28分には、南の仕掛けから最後は高岡が右足で今大会初ゴールを決めた。日章学園は35分にも南のCKから相手オウンゴールで3点目。前半で白星に大きく近づいた。

 日章学園は、後半4分にも追加点。前線の連係から高岡が右サイドへスルーパスを通し、南が中央へ折り返す。最後は、後半開始からFWへポジションを上げていた水田が右足で決め、4-0とした。

 日章学園はその後も高岡が鋭いプレッシングでGKのキックをチャージしたほか、南が繰り返しドリブル突破を試みるなどゴールを目指し続ける。守備陣もDFリーダーのDF吉川昂我(2年)や思い切り良く飛び出すGK有薗大樹(2年)を中心に集中力を維持。佐賀東も人数を掛けた粘り強い守りで次の得点を許さず、交代出場MF江口賢伸(2年)の鋭いクロスやCB甲斐桜助(2年)の左足フィードを交えた攻撃で1点を狙う。そして、FW石川僚祐(1年)のシュートなどでゴールを脅かすが、日章学園はメンバー、システムを変えながら無失点で試合を終えた。

 日章学園の原監督は、今大会の6試合について「ディフェンスラインとかも去年から結構変わってるので、そういう経験値の少ない選手が6試合できたっていうのは良かったかなと思います。特に、決勝トーナメント1回戦の(鹿児島)城西戦とかも、負けたら帰らないといけないとか、ああいうひりつくような展開のゲームをする子が初めての選手が半分ぐらいいたので、そういう試合を何とか勝ち切ったとか、3位決定戦も勝って終わったとかいう経験は次に繋がるんじゃないかと思います」と振り返った。

 準決勝の大津高(熊本1)戦では強い風雨の中で差をつけられ、1-6で敗戦。日常を変え、強度を向上させる必要性を実感した。また、指揮官はハードスケジュールで疲労も見えるエースFW高岡のプレーに対し、ピッチ上で指摘するような選手がいなかったことに苦言。「『(高岡)伶颯、そんなできないんだったら出ろ』とか、『オマエ、ちゃんとやれ』とか周りが言うぐらいの関係性になっていかないと」と求めたという。

 高岡も「(23年度2冠の青森)山田とか高校選抜で見ると、ほんとにずっと指摘し合ってるので、こういうチームがほんとに強くなるって思っていた。僕たちもやってるはやってるんですけど、もっと人一倍、全員がやらないといけない」とコメント。チームリーダーが複数いた青森山田高(青森)の3年生のように、互いに求め合って自分たちを成長させ、全国大会で勝つチームになる。

(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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