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W杯監督インタビュー:チリ監督マルセロ・ビエルサ

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W杯出場国の監督インタビュー第4回目は戦術家として名高いマルセロ・ビエルサ監督。チリ代表を率いる。

─アルゼンチン人であるビエルサ監督率いるチリ代表は、W杯予選で非常に素晴らしい成績を残しました。それとは対照的に、アルゼンチン代表は予選を突破するのに非常に苦労しました。この2チームの関係をどのように見ていますか。
「チリ代表は南米地区予選で素晴らしいプレーを見せ、早々と予選突破を決めました。これは非常に嬉しいことです。チリサッカーには特徴がありますので、それを保ちつつ、同時に私の戦術もうまく取り入れました。アルゼンチン代表は予選で苦戦を強いられ、最後の最後にようやく予選突破を決めました。私の率いるチリ代表がエクアドル代表にわざと負けてアルゼンチンに復讐したなどと言った人がいましたが、そんなことはあり得ません。私もアルゼンチン人ですから、当然、祖国の代表チームが南アフリカに行くことを願っています。国籍の話は抜きにして、プロとしての職業道徳にかけて、一つ一つの試合で勝利を勝ち取るよう尽力することを約束します」

─アルゼンチンサッカーとチリサッカーでは、どこが違いますか。
「いずれも南米のチームですから、似ている点はあるでしょう。選手の技術力が高く、足の動きも細かい。しかし問題も少なくありません。我々アルゼンチン人は、『我慢して譲る』ということができません。これは我々が長い間進歩できない原因です。私はチリに来てから『寛容』の精神を学びましたし、力を合わせることの重要性も理解しました」

─チリ代表は、スペイン、ホンジュラス、スイスと同じHグループに振り分けられましたが、グループ内の情勢をどのように見ていますか。
「我々がグループリーグを突破する可能性は25%だと思います。スペインの場合は、その可能性がもう少し大きいかもしれません。しかし、我々は自信があります。スイス代表の実力は我々より上かもしれません。彼らは07年に我々を破っていますし、ヨーロッパ地区予選でも素晴らしいプレーをしています。09年11月にスペインと国際親善試合をしましたが、最終的に0-3で負けてしまいました。実力の面で差があると見られますが、サッカーは試合が終わるまでは何が起こるかわかりません。グループリーグ突破については楽観的に見ています。決勝トーナメント出場に向け、スイス代表との一戦は熾烈な争いになると思います」

─監督は、「サッカー哲学」を深く研究されているというお話ですが、サッカーならびにサッカー選手について、どのようにご理解されていますか?
「サッカーは非常に偉大なスポーツですが、サッカー選手は時にマイナス情報の影響を受けることがあります。人は皆、どのような状況下でも無条件で愛し、サポートしてくれる人が傍にいてくれることを必要としますし、そういう人が多ければ多いほど良いのです。しかし、サッカー選手の場合はそうはいきません。多くの人が、今週はこの選手を熱烈に応援するが、次の週にはもう別の選手に乗り換えてしまうものです」

─サッカーのグラウンド上で勝利を収める秘訣は何ですか?
「戦術ですね。どのようなレベルのチームでも、良い戦術システムを組み合わせることが必要です。そうしてこそ、選手の実力を発揮させることができるのです。私はサッカーに関する書籍とビデオを大量に集めました。04年にアルゼンチン代表監督を辞めた後、家にこもって試合のビデオを研究していた時期があり、サッカーの戦術について改めて理解を深めました。サッカーの得点の70%は、いずれも左右両サイドからの攻撃によるものです。したがって(W杯では)、サイドから攻める戦略に重点を置こうと思います」

(取材・文 馬徳興・傅亜雨?殘・・・・詞・・・洫

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