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[MOM860]流通経済大柏FWジャーメイン良(3年)_抜け出しの質と駆け引き強化し3発!

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.19 全国高校選手権千葉県予選決勝T1回戦 千葉経済大附0-6流通経済大柏 流通経済大柏G]

 快足ストライカーが相手の堅守を個で切り崩した。流通経済大柏のFWジャーメイン良(3年)は選手権予選初戦について「立ち上がり硬くて、シュートの意識もなくて、選手権の雰囲気に飲まれかけていた」と振り返ったが、SBの背後への飛び出しを狙うなど駆け引きを続けてチャンスを待つと前半24分だ。右サイドからのラストパスがDFに当たりコースが変わりながらも上手くタイミングを合わせると、右足で豪快にゴールヘ蹴りこんで先制点。さらに27分には右SB本村武揚(1年)の右アーリークロスにタイミング良く飛び出し、左足ダイレクトでゴールヘ押し込んで2点目を奪った。

 そして後半31分には左サイドを打開した小川諒也(2年)のラストパスを左足ダイレクトで合わせてハットトリック達成。「個人的にも去年は(決勝で)自分が外してPKで負けている。自分たちが入ってきてから選手権の舞台を知らないし、去年の借りを返したい」という目標へ好スタートを切った。
 
 下級生時からそのスピードと身体能力の高さは注目されてきたが、決定力を欠いて今夏はスタメン落ちを経験してきた。ただ、「ボールを受ける状況でどういう抜け方をするか、今年は考えている。1年間ディフェンスラインとの駆け引きを意識していた。裏へ抜けても(シュートが)入らないときもあるんですけど、裏へ抜ける質とか駆け引きとか上がってきている」と成長してきたFWは、自らの動きの質でチャンスの数を増やすことに成功。また「走り方が変わったと言われる。下半身のトレーニングをちょっとやっていて、力強さはまだ足りないですけど、低い姿勢でやれている」というように、下半身強化の効果が出て、抜け出したあとも低い姿勢をキープしたままゴールヘ向かうことができている。

 タイミングのいい飛び出しから決めたゴールなど3発に加え、打点の高いヘディングシュートでゴールを襲うなど怖さを十分に発揮していたジャーメインについて、本田裕一郎監督は「これで自信をつけてくれればいい」。全国総体得点王のFW立花歩夢(3年)の存在や2年生FW高沢優也の台頭など、センターフォワードのポジションを懸けたチーム内競争も非常に激しい。対戦相手のレベルも今後上がってくるだけに本人は「市船の磐瀬(京都内定)とか柴戸海とかが相手だと一瞬のタイミングで決まってしまうと思う。もっと精度を高めていきたい」と宣言。目標の選手権日本一を果たすため、全国トップクラスの相手からもゴールを量産する。

[写真]前半27分、ジャーメインが左足ダイレクトで2点目のゴール

(取材・文 吉田太郎)
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