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[選手権]「違う形で恩返しできたらいい」名古屋内定FW小屋松は笑顔で国立を後に

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[1.11 全国高校選手権準決勝 星稜4-0京都橘 国立]

 名古屋グランパス内定の京都橘FW小屋松知哉主将(3年)は、試合後のミックスゾーンで意外なほどスッキリとした表情を見せていた。「国立を2回経験できたのは良かった。悔しい思いはあるけれど、スッキリした気持ち。笑顔で京都に帰れたらいい」。国立のピッチ、ロッカールームで涙を流しきった主将は、真摯な態度で受け答えを終えると真っ直ぐ前を向いて国立を後にした。

 昨年度得点王で名古屋内定のU-18日本代表。この1年間、最も注目を集める中でプレーしてきたエースは那覇西との3回戦で今大会初ゴールを決めると、続く市立船橋との準々決勝でも2ゴールを叩きだした。注目度の高かった大一番で本領を発揮し、チームを2年連続の国立へと導いた。そしてこの日の準決勝では、前半25分に決定的なラストパスを通すなど、徹底的なマークを受ける中でも1プレーでゴールに絡もうとしていた。だが厳しい守備を掻い潜ることはできず。3本のシュートを放ったが、無得点で無念の敗退となった。

 昨年12月に進路が決まった後は「チームと学校に恩返ししていきたいと思います。気持ち良く(笑って)終われるようにしたい」と繰り返していた小屋松。目標には届かなかったが、全力を「出し切った」と言い切って選手権を去る。「(監督やコーチたちに優勝という形で)恩返しできなかったのは残念だけど、違う形で恩返しできたらいい」。最後の試合で結果を出すことができなかったことは次のステージへの糧。最注目ストライカーは笑顔で高校サッカーを卒業した。

(取材・文 吉田太郎)

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