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[選手権]“本田超え”も通過点、星稜MF寺村「次、勝たないと意味がない」

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[1.11 全国高校選手権準決勝 星稜4-0京都橘 国立]

 “本田超え”も通過点に過ぎない。日本代表MF本田圭佑(ミラン)を擁した04年度大会、そして前回大会と2度に渡って阻まれてきたベスト4の壁を乗り越え、24回目の出場で初の決勝進出を果たした星稜(石川)だが、MF寺村介主将(3年)は「まったく意識していない」ときっぱりと言った。

「僕たちはずっと日本一、日本一と言ってきた。ここ(国立)で勝ててうれしいけど、次、勝たないと意味がない」。視線の先にあるのは13日の決勝。富山一(富山)を下して初の頂点に上り詰めることだけだ。河崎護監督は「彼らはいつも本田くんと対比されてきた。準決勝に勝つことが、彼を超えることだと」と語り、寺村のキャプテンシー、意志の強さに感服する。

「記事で読んだのだが、寺村は『僕たちが本田選手を超えるとか、ベスト4を打ち破るとかではなく、僕たちは僕たちのチームで優勝したい』と言っていた。自分たちを見てほしい、と。そういう頼もしいキャプテンに率いられてきた。彼にはすごいキャプテンシーがある。怖いぐらいで、そんな彼に引っ張られて、ここに導かれたのかなと思う」

 2回戦から登場した星稜は初戦こそ一条に5-0で大勝したが、3回戦の玉野光南戦、準々決勝の修徳戦といずれも0-0からのPK戦で勝ち上がってきた。この日を含め4試合連続無失点という堅守の陰で、攻撃陣は2試合連続のノーゴール。それだけに寺村も「今までの試合は守備陣に助けられていた。国立では絶対に攻撃陣が爆発して、守備陣を助けようと話していた」と強い思いを秘めていた。

 寺村自身、1-0の後半7分に自ら獲得したPKで追加点を決めたが、「PKだけじゃアカンなと思う。流れの中で決めてチームに貢献しないとアカン」と貪欲に語る。「ここで満足していたら次の試合は勝てない。もう一回引き締めて決勝に臨みたい」。目標まで、あと1勝。背番号10には、日本一しか見えてない。

(取材・文 西山紘平)

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