beacon

冷静に3度目のW杯出場権獲得を喜ぶMF遠藤「今回が一番、いろいろなことに注意した」

このエントリーをはてなブックマークに追加

[6.4 W杯アジア最終予選 日本1-1オーストラリア 埼玉]

 残り10分を切り、先制を許した日本だったが、ピッチ上にいたMF遠藤保仁(ガンバ大阪)は冷静だったという。「最後、見ている人はヒヤヒヤしたと思います。ちょっとアンラッキーなゴールも決められましたが、残り10分ありましたし、なんとか追いついてと考えていました。ハンドはラッキーでしたが、最後まで諦めない気持ちが引き分けにつながったと思います」と、試合を振り返った。

 試合時間が残り5分を切り、日本はDF内田篤人に代えて、FWハーフナー・マイクを起用した。194センチの長身FWがピッチに入ったが、安易にロングボールを蹴らなかったことで、遠藤はチームが落ち着いていることを感じたという。「マイクが入ってからも、パワープレーっていう感じではなく、しっかりつないで最後にマイクを使おうという意思統一ができたので、極端な焦りはありませんでした」。

 結果、日本は試合終了間際にPKを獲得。MF本田圭佑がこれを決めて同点に追い付き、5大会連続のW杯出場を決めた。06年W杯予選、10年W杯予選も戦っている遠藤にとっては、今回が3度目の予選突破だ。「嬉しさは3回とも一緒」と話すが、年齢を重ねてチーム内での役割は変わってきている。「もちろん年を重ねることでチームのことは考えないといけません。そういう意味では今回が一番、いろいろなことを注意しながらだったので、一安心」と安堵しつつ、「ここが最終的な目標ではないので、また次に向けて頑張りたいです」と、予選突破が通過点であることを強調した。

 試合直後、ピッチ上のインタビューで遠藤は「みなさん、ありがとう!!」と、2度も絶叫していた。普段はあまり見られない姿から、これまでで一番うれしかったのでは?と聞かれたが、このときも遠藤は冷静沈着だったことを明かす。「テレビ的に、時間がなかったので。そういう感じでしたし、みんなも真面目なことを言っていたので」。

 いつものように淡々と説明した遠藤は「今日、明日くらいは、みんなで喜んで、また最終戦もありますし、その先はコンフェデもあります。喜びつつ、次の目標に向けて、また自分もそうですし、チームも成長できるようにしていければと思います」と、今後に続くコンフェデ杯、そして来年のW杯を見据えた。

(取材・文 河合拓)

▼関連リンク
ブラジルW杯アジア最終予選特集

TOP