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[選手権]前回準V・京都橘が市立船橋との準々決勝へ「市船を倒すことが一つの歴史になる」

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[1.3 全国高校選手権3回戦 那覇西2-3京都橘 フクアリ]

 第92回全国高校サッカー選手権は3日、各地で3回戦を行った。フクダ電子アリーナの第2試合では、前回大会準優勝の京都橘(京都)が那覇西(沖縄)に3-2で競り勝ち、2大会連続のベスト8進出を決めた。5日の準々決勝では夏の全国総体王者・市立船橋(千葉)と対戦する。

 相手のミスを逃さなかった。立ち上がりはなかなかリズムをつかめなかった京都橘だが、前半27分にFW小屋松知哉主将(3年、名古屋グランパス内定)がクロスバー直撃のミドルシュートを放ち、流れを引き寄せる。すると前半30分、小屋松が高い位置からのプレッシャーでDF上原勘七(2年)からボールを奪い、ドリブルで運んでラストパス。MF中山俊輝(3年)が落ち着いて右足で流し込み、先制点を奪った。

 直後の前半32分には前回大会得点王の小屋松が技ありゴールで今大会初得点。相手陣内でこぼれ球を拾ってドリブルで仕掛けると、相手DFを抜き切らずに右足を振る。ポジションを前に取っていたGKの頭上を越してゴールネットを揺らし、3分間の2ゴールで2-0とリードを広げた。

 後半立ち上がりにも追加点を奪う。後半5分、相手陣内の右サイド深い位置でMF中野克哉(2年)がボールをカット。そのまま中へ切れ込み、折り返しを中山が右足で押し込んだ。3-0と勝利を決定づけたかに思われたが、94年度大会以来のベスト8を目指す那覇西がここから怒涛の追い上げを見せる。後半20分に投入されたFW國吉遼(2年)が直後の22分にゴール。1点を返すと、同28分にはDF徳元悠平主将(3年)のロングフィードからDFラインの背後を取った國吉が右足ダイレクトでゴール左隅に流し込んだ。

 2-3と1点差に追い上げ、勢い付く那覇西。同点ゴールを目指し、怒涛の猛攻を見せたが、土俵際で踏みとどまった京都橘が3-2で逃げ切った。「最後の2失点がいい薬になって、明後日の試合につなげてくれると思う」と米澤一成監督。一瞬でも気を抜けば何が起こるか分からない。あらためて全国大会の怖さを思い知らされた京都橘イレブンだが、準々決勝の相手は「僕がモチベーションを上げる必要もない」と米澤監督が話す市立船橋に決まった。

 夏の王者であり、過去5回の全国選手権優勝を誇る優勝候補筆頭だ。京都橘も前回大会準優勝とはいえ、全国選手権は3度目の出場。伝統校に新興校が挑む構図は変わりない。「伝統校である市船を倒すことが一つの歴史になる」と意気込むのは小屋松だ。「(市立船橋は)夏のチャンピオンだし、やってみたかったチームの一つ。チャンピオンを倒すことで優勝に近づく」。昨年度の準Vを超える初優勝へ。国立を懸けた大一番に勝ったチームが日本一に大きく前進することになるのは間違いない。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 西山紘平)

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