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湘南の左を務めた三原「自分の良さを出したい」

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[8.5 J2第27節 横浜FC 1-0 湘南 ニッパ球]

 0-1で神奈川ダービーに敗れた湘南ベルマーレだが、5試合ぶりに先発出場したDF三原向平は敗戦を悔しながらも、充実の表情を見せていた。MF高山薫の出場停止を受け、左WBとして前半45分に出場した彼は、持ち前の守備力を見せて対面するMF武岡優斗を抑え、攻撃面でも前半33分にシュート性のクロスをゴール前に放り込み、惜しい場面をつくるなど、存在感を出した。

「(高山の出場停止は)チャンスだなとは正直、思いましたね。このチャンスをつかんで、穴埋めではなく自分が使ってもらえるようになりたいなと思っていました。試合は楽しめましたが、攻撃面の課題は多かったですね。仕掛けられるところを仕掛けられなかったし。監督には『勇気を持って縦に仕掛けろ』と言われていたのですが、どこかで逃げてクロスを上げたり、シュートも打てていないし…」と悔しがった。

 ボールが集まったことについても「(永木)亮太くんとか、コバショー(古林将太)とか、(遠藤)航だったりが、こっちを見てくれていたので。1対1を仕掛けられる場面をつくってもらっていたのですが」と周囲に感謝し、「チャンスをうまく生かせなかったかなと思います」と再び反省した。

 何に取り組めばいいか、課題を見つけることができたという。「僕はドリブルするというよりも、預けて裏でもらうことが好きなので、今回はいろいろな課題が見えました。自分で仕掛けることも大事ですし、判断も遅かったので。今日、いろいろ学べたことを次に生かせるかなと思います。(高山)薫くんだとシュートまで行ける。あの人にはなれないけれど、自分なりの良さを出したいなと思います」と目を輝かせた。

 自分の取り組むべき課題が明確になった喜びに加え、守備面でも手応えを得た。「自分のマッチアップする相手に先手を取られないように意識していました。基本的に先手も取れていましたし、そんなにやりづらさは感じなかったです」と振り返るように、横浜FCの攻撃のキーマンである武岡にほとんど仕事をさせなかった。

 前半のみの出場に終わったのは、警告を受けていたことに加え、「『後半は攻撃に出たいから』と監督に言われました」と明かす。

「僕はもともとSBで守備的な選手ですし、守備では負けたくなかった。でも、SHをやるのであれば、それプラスアルファで攻撃力も、運動量も求められます。そこはまだまだかな」と口にした。

 それでも長いリーグ戦で、再び三原に出場機会は訪れるだろう。ダービーで見つかった課題に、どう取り組み、今後の成長につなげていくか。伸び盛りの22歳、これからが楽しみだ。

(取材・文 河合拓)

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