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ブラジル人らしからぬ泥臭いプレーで決勝弾、ポポ「練習でがんばった結果」

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[9.29 J1第27節 柏1-2浦和 国立]

 最後まで諦めないFWポポらしい泥臭い得点だった。引き分けで終わるかと思われた後半ロスタイム、MF矢島慎也がヘディングで落としたボールは相手とイーブンのボールに。柏の選手がクリアしてタッチを割れば試合終了になるところでポポが執念で追いかけ、必死に足を出す。ボールはポポのつま先に当たってゴールに吸い込まれ、浦和レッズが大逆転勝利を飾った。

 今季から浦和に加入したポポはこれまで17試合に出場しているが、スタメンはわずか1試合。この日もFW原口元気に代わっての途中出場だった。それでも「必ずチャンスはくると信じて、練習で頭を下げずにがんばった結果」と、4月7日の第5節・鹿島戦(3-1)以来となる今季3点目を笑顔で振り返った。

 柏、神戸でプレーし、日本で5シーズン目を迎えるポポ。強烈なシュート力、爆発的なスピードがトレードマークだが、特筆すべきはブラジル人らしからぬ献身的なプレーだ。この日も最前線から柏のDFラインにプレッシャーをかけ続け、試合終盤は「スピードは落ちていた」(ポポ)が、試合終了の笛が鳴るまで諦めずにボールを追った。その結果が、この日の決勝点だ。「継続して練習してきたことが今日の結果につながった」。プレースタイルのような真摯な姿勢で感謝の言葉を述べた。

 今日の勝利で首位・広島との勝ち点差「5」をキープ。優勝は射程圏内だ。「今日は一つの決勝に勝っただけ。(残り7試合)一つひとつ決勝戦のつもりで戦う」。長いリーグ戦で優勝を勝ち取るには、スタメンだけでなく、控えの選手も含めたチーム力が必要となる。このブラジル人スーパーサブの活躍は、浦和を再び上昇気流に乗せる追い風となるはずだ。

(取材・文 奥山典幸)

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