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首位と勝ち点5差…逆転優勝を信じる浦和DF槙野「射程圏内」

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[9.29 J1第27節 柏1-2浦和 国立]

 試合前の時点ですでに首位・広島が勝利していたことを「知っていた」浦和レッズの選手たちは、前節・G大阪戦(0-5)に大敗したことも相まって、並々ならぬ思いで柏戦に臨んでいた。DF槙野智章は試合後に「勝てば射程圏内に入る。優勝するためには連敗は許されない。1週間、危機感の中でいい準備ができた」と語ったが、笑顔を見せることはなかった。

「最近は先制点を取られてしまうが、(今日は)失点後もゲームをコントロールできていた」(槙野)と語るとおり、先制後に柏に傾きかけた流れを取り戻し、前半のうちに追いつくことに成功できたのは大きい。DF永田充も「中央よりサイドを意識した」と言うように、この日はチーム全体で柏の両サイドを徹底的に攻略。柏の右サイドはMFレアンドロ・ドミンゲスが守備に積極的に参加しないため手薄なエリアで、槙野はMF宇賀神友弥と連係して幾度となく柏のエリアに侵入した。後半18分には柏のPA内までドリブルで突破し、惜しいシュートも放った。

 この日の勝利で、柏からは今季2戦2勝。「1失点したのでDFとしては納得いっていないが、(内容にも結果にも)満足している」と言うように、1年前には手も足も出なかった昨季王者に対して、完璧な勝利を収めた。

 柏のホームとして国立競技場で開催された試合だったが、まるで浦和のホームのような大声援にスタジアムは包まれた。先制されながらも選手の背中を押してくれたサポーターへの感謝も忘れない。「サポーターがいい雰囲気をつくってくれた。(前節は)不甲斐ない思いをさせてしまったので、いい試合をして喜んでもらいたかった」。

 また、前半27分の交代後にあからさまに不満な表情を見せたFW原口元気については「交代後もチームのために戦ってくれたし、それがあったから逆転につながったと思う。(原口が)成長できたのでよかったのでは」と、波紋を呼びそうな言動を取った若きストライカーを慮った。

 今日の勝利で優勝戦線に踏みとどまった浦和だが、首位・広島とは勝ち点5差。2位・仙台と同勝ち点だが、得失点差で12の差がある(仙台+19、浦和+7)。しかし、第29節に仙台、第32節には広島との直接対決も残されている。残り7試合、全勝で終えることができれば、奇跡の大逆転優勝も見えてくるはずだ。

(取材・文 奥山典幸)

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