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“出戻り”ルーキーが大仕事!!名古屋DF本多「自分の力は出せた」

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[3.16 J1第3節 甲府0-1名古屋 中銀スタ]

 窮地を救う劇的ゴールだった。後半ロスタイムに名古屋グランパスはゴール左でFKを獲得。プロ入り初のスタメン出場を飾ったDF本多勇喜も最後のチャンスと最前線で待ち構えた。すると目測を誤ったGK荻晃太がファンブル。待ち構えた本多の足もとにこぼれると、無我夢中で押し込んだボールはゴールラインを越え、名古屋に今季初勝利をもたらした。

 チャンスはいきなり巡ってきた。レギュラーCBの増川隆洋が腰に違和感を訴え、急きょ欠場が決定。試合前のミーティングでプロ初スタメンが言い渡された。ストイコビッチ監督も「若い選手だが、経験を積ませたかった。良いゲームを作れるという印象を持っていた」と期待を寄せた初スタメン。クラブによると、試合後本多は「心臓がバクバクし緊張していたのですが、チームメートが声をかけてくれた。自分の力は出せたと思います」と笑顔で振り返った。

 クラブ史上初めての“出戻り”ルーキーとなった本多。大学時代は主にCBとして活躍したが、プロでは左SBでの活躍を目指していた。だが巡ってきたデビュー戦は、4-3-3のCBでの出場だった。「気が楽というか、落ち着いてプレー出来ました」。

 大型DFのハーフナー・ニッキや牟田雄祐に注目が集まった今季の名古屋のルーキーの中で、本多は172cmと小柄。だが、この試合でも見せたとおり、空中戦では抜群の強さを発揮する。「あれが自分の持ち味。絶対負けたくない部分」と本人も絶対的な自信を持っている。

 さらにこの試合では、後半13分からユース時代に同期のMF磯村亮太とCBコンビを組むことになった。「イソが入ってきたときはすごく違和感があった。目があって笑ってしまった。でも気持ち的にすごくプレーしやすかった。イソはどこでもプレー出来るし、CBに入っても2人で守れるなという感触があった」。

 今季初勝利を挙げた名古屋だが、試合内容は褒められたものではなかった。後半11分に甲府DF松橋優が退場。数的優位の展開となったが、全くそれを生かせず、逆にピッチを招く場面も少なくなかった。ストイコビッチ監督は「我々の目標は試合に勝利すること」と強がったが、まだまだ課題は山積している。次戦は3年ぶりに予選を戦うナビスコ杯(20日、C大阪戦)。幸いにも名古屋は有望な若手を数多く抱えている。巡ってくるであろうチャンスを、この日の本多のように若手選手がどれだけ生かせるか。名古屋の未来は彼らにかかっている。

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