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リーグ戦初先発で躍動も…F東京MF三田「ブーイングはもう聞きたくない」

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[7.6 J1第14節 F東京 0-1 広島 味スタ]

 ようやくJリーグが再開した。試合を楽しみにしながらスタジアムに足を運んだFC東京のサポーターにとっては、ちょっとガッカリする再開初戦となってしまった。特に守備面ではアグレッシブさがなく、ボールを奪う位置が低かった。そこから攻撃に移っても、なかなかゴール前に人数を掛けられずに、手詰まり感があった。

 そんな中で、明るい話題といえば、今季リーグ戦で初めてスタメン出場を果たしたMF三田啓貴のパフォーマンスだろう。ランコ・ポポヴィッチ監督は「あの場面で決めなければいけない」と厳しかったが、後半15分にMF長谷川アーリアジャスールからのパスを受けて、PA内に仕掛けて右足で放ったシュートが左ポストを叩く場面など、F東京のほぼすべてのチャンスに絡んだ。

「過去に2回、ナビスコカップで先発させてもらっていたから、落ち着いて試合に入ることができました。やれると感じる部分もあったので、あとは細かいミスをなくせば、もっと幅が広がると思います。今日も失ってはいけない場面で、2、3回ボールを失ったので、そういう細かいところを追求してやっていきます」

 ルーキーは初々しく手応えを口にしたが、決して満足したわけではない。この試合に勝てなかったのは、自分のせいだと唇を噛む。「後半のロスタイムに、向こうはFKを直接決めた。でも、僕はFKを決めることができませんでした。あれが決まっていれば、1-1だったし、もしかしたら最後のFKはなかったかもしれない。勝ち点3を取れたかもしれない。試合に出たからには結果が大事だし、勝ち点3を取れないといけなかった。結果にこだわってやりたい」。

 試合終了と同時に、F東京のゴール裏のサポーターからはブーイングが起きた。その後、三田は、終了間際に出場したMF武藤嘉紀とともに、2人だけ名前をコールされている。「嬉しかったけど、ブーイングはやっぱりもう聞きたくないですね。2万7000人も集まってくれた中で勝ち切れないゲームをしたので、申し訳ないです」。この日の借りをサポーターに返したい。ルーキーは、強い決意とともに、明日から再び練習グラウンドで己を磨く。

(取材・文 河合拓)

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