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1G1AのF東京MF三田「勝利できなかったのは悔しい」

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[7.10 J1第15節 浦和2-2F東京 埼玉]

 FC東京のルーキーMF三田啓貴が止まらない。0-1で敗れた前節の広島戦で躍動した22歳は、中3日で迎えた浦和レッズ戦でも、輝きを放った。前半11分にショートカウンターからJリーグ初ゴールを記録。後半11分にも見事な1タッチパスでMF長谷川アーリアジャスールの追加点をアシストした。辛口のランコ・ポポヴィッチ監督は「これで(三田が)『自分は一流選手になった』と思ってしまったら、次はベンチですが」と釘を刺しつつも「今日のできは称賛に値したと思います」と、その活躍を評価した。

 試合後のコメントを聞く限り、指揮官の心配は杞憂になりそうだ。ゴールについて「相手に当たって入ったので、運が良かったです」と振り返る三田は「中断明けの広島戦、浦和戦というビッグゲームでスタメンに起用してくれてポポさんには感謝しています。ただ、そこで勝利という結果に結び付けられなかったのは、すごく悔しい」と、1得点1アシストの活躍にも、満足した様子は見せなかった。

 この試合、F東京の先発の平均年齢は、浦和のそれよりも4歳近く若かった。「若いチームが、勝つために何をしなければいけないのか、何をすべきかを理解しないといけない」と、ポポヴィッチ監督は強調した。若手の代表格でもある三田は、チームが2点をリードしてからの試合運びについて、「引くのか、行くのか、というところで、正直、はっきりできなかったと思います」と、迷いがあったことを明かした。

「残り20分、11人で引いて守備をしていましたが、あそこで全体的に引くには、ちょっと時間が早かったと思う。あそこで、もう1メートル、2メートル、前に行くことができれば、もっとアグレッシブにできたんじゃないかなと思います。チームも全体的に足が止まっていたし、後ろでカットしても、前で動き出している選手がいない状況だった。あそこでもう一歩踏ん張って、ボールキープしたり、動き出したりしたかったですね」

 後半に入り、相手のマークが厳しくなった中で、思うようにプレーできなかったことも反省点に挙げる。「削られるシーンは何回かありましたが、それもかわせるようにならないと、もっと上では通用しない。もっと失う回数も、少なくしていきたいと思います。今日は勝ち点3を失ったゲームだったと思いますが、下を向いてはいられないんで。次は絶対に勝ち点3を取ります」。

 広島戦の試合直後、得点を挙げられなかった悔しさを露わにしたルーキーは、この試合でゴールを決めた。続くアウェーの新潟戦でも、有言実行といきたいところだ。

(取材・文 河合拓)

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