[7.25 ロンドン五輪F組 日本2-1カナダ コベントリー]

　日本女子代表(なでしこジャパン)は25日、英国・コベントリーでグループリーグ第1戦に臨み、カナダ女子代表と対戦し、2-1で競り勝った。前半33分、MF川澄奈穂美のゴールで先制すると、同44分にはMF宮間あやが追加点。後半10分に1点を返されるも、そのまま逃げ切った。

以下、試合後の佐々木監督会見要旨

●佐々木則夫監督
「五輪の競技が今日からスタートして、なでしこジャパンが日本の競技のスタート。選手は苦しい中もしっかり耐えながら、勝ち点3を常に意識して戦ってくれた。その結果の勝利だと思う。なでしこジャパンにとっても、オールジャパンにとっても、いいスタートを切れた。これで関塚ジャパンにも、明日いいイメージでやってもらえればと思う。プレッシャーじゃなくてね笑い」
―得点シーンは非公開練習などでやってきた形だったのか?
「彼女たちは2対1をつくろうという習慣があるので、そういう場面が多くなる。非公開練習で僕がやれと言ったとか、そういうことではなく、彼女独特の発想と判断力だと思う。今回、大野と川澄のポジションを変えた。そこで2人が機能したのはよかった。そこは僕の称賛にもつながっていくと思う(笑)。大野が裏に行ったところは、ニアゾーンを狙うというのはやっている。大野がいいところに入っていって、そこにかかわる川澄という形からゴールになったと思う」
―大事な初戦で勝ち点3を取ったが、勝因は?
「勝因は全員がカナダより走り切れたこと。守備も最終ラインをコントロールしながら、前の選手もアプローチしてくれた。もっと冷静にやれば点を取れた場面もあったと思うが、相対的に見て2点というのは、みんながしっかり動き切れたこと、守備が安定したことがよかったと思う。1回の守備のミスで失点した」
―改善点は?　交代が一人だけだったが?
「改善しないといけない点は、一人一人の単純な判断ミスもあった。ここにパスしとけばいいのにという単純なミスがあった。ただ、勝って反省できるのはよかった。交代が一人だったのは、守備の部分を考えたときに今の流れのままでいいかなと判断した。点を取りに行こうとすれば岩渕、丸山の投入もあったかと思うが、流れを見たときにバランスは悪くなかったので、バランスを崩したくないと思い、このままいこうという判断になった」
―『五輪の初戦には魔物がいる』と話していたが、立ち上がりのプレーをどう見たか?
「立ち上がりの雰囲気というか、ロッカールームでの宮間のコメントが格好いいというか、素晴らしくて。僕もジーンと来て涙を流しそうになったぐらいだった。選手も結構、涙していた。立ち上がりは悪くなかったと思う。相手が前がかりになって、我々のエンドにボールは多くあったが、魔物と言えばそんなにシュートを打たれてないのに、1本か2本目のシュートが入ったということ。2-1のまま、シビアな戦いで90分を終えたのは次のスウェーデンに向けて身になるゲームだったと思う」と前向きに話し、「反省もあるけど、勝ち点3を取るのが今日の大きなテーマだった。選手たちをほめてあげたい」

(取材・文　西山紘平)

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