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4年前は3連敗…2度目の五輪で初勝利の吉田「長かったです」

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[7.26 ロンドン五輪D組 日本1-0スペイン グラスゴー]

 4年越しの五輪初勝利に喜びと安堵の感情が入り混じった。オーバーエイジとして五輪代表に選ばれ、キャプテンとしてチームをまとめるDF吉田麻也。4年前の北京五輪は3戦全敗の屈辱を味わっただけに、2度目の五輪、4度目の試合で挙げた初勝利の味は格別だった。

「長かったです」。そう苦笑いした吉田は「4年間をへて、ここにまた立てたのは感慨深いし、でも満足せずに、グループリーグ突破が目標なので」と喜びながらも気を引き締めた。

 前半34分、MF扇原貴宏の右CKに吉田が中央でつぶれると、ボールはファーサイドに流れ、FW大津祐樹が右足で押し込んだ。「ニアでつぶれてというのは狙いどおりというかセオリー」。スペインを撃破する決勝点を演出し、胸を張った。

 ロンドン五輪はこれで終わりではない。ここがスタートラインだ。「相手も試合の入りがゆったりだったというか、足元をすくえた」。初戦にすべてを懸けた日本と、大会全体を見据えたコンディショニングで臨んだスペイン。その差があったことは否定しない。だからこそ「ここで満足することなく、次の試合に備えたい」と力説する。

「ハーフタイムもみんな自分の意見を言い合っていたし、試合後も喜んでいたけど、『次があるぞ』っていう声が出ていた」。ブラジルを撃破する「マイアミの奇跡」を起こしたアトランタ五輪はグループリーグ最終戦も勝って2勝を挙げながら2勝1敗で3チームが並び、得失点差で敗退した。今回は29日のモロッコ戦に勝てば、文句なしでグループリーグ突破が決まる。3大会ぶりの決勝トーナメントへ。北京の悔しさは、まだこの1勝だけでは晴らし切れない。

(取材・文 西山紘平)

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