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オマーンvs日本 試合後の選手コメント

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[11.14 W杯アジア最終予選 オマーン1-2日本 マスカット]

 日本代表は14日、W杯アジア最終予選第5戦でオマーン代表と対戦し、2-1で競り勝った。W杯予選ではホーム6戦無敗のオマーンに対し、日本は前半20分、FW清武弘嗣の国際Aマッチ初ゴールで先制したが、後半32分に直接FKで失点。それでも後半44分、FW岡崎慎司が劇的な決勝点を奪った。4勝1分の勝ち点13に伸ばした日本はB組首位を独走し、これで5大会連続のW杯出場に王手をかけた。

以下、試合後の選手コメント

●FW岡崎慎司(シュツットガルト)
「今まで大事なところで決め切れていなかった自分もいたので、こういう我慢する試合で最後のところでゴールを決められたことは自分の中でも本当に自信になる」
―ゴールシーンを振り返ると?
「(酒井)高徳が良い仕掛けをして、そこでヤットさん(遠藤)のところに行って、それをちょっと触るなと思ったので。ちょっと触るとあそこらへんにこぼれると思ったので、あとは感覚だったかなと思う」
―後半30分すぎに追いつかれて、ゲームプランは?
「あの時間帯に同点に追いつかれるのは相手のペースだったと思う。それでも最後の最後まで自分たちで攻め続けて、それが最後の最後に実を結んだと思う。守りに入らず、自分たちのサッカーで最後までゴールを狙っていったので、それが勝ちにつながったと思う」
―1-1の時間帯で考えていたのは勝ち点3? 1?
「勝ち点3は取りにいきたかった。2位の相手だったし、下の相手に差をつけたかった。もちろん、負けるのが最悪のパターンなので、それも頭に入れながら勝ちを狙いに行った」
―それについて監督から指示はあった?
「それはなかったですが、選手もみんな、だいたい勝ちにいっていたので」
―長友が2列目に上がって細貝が入るというのは今まで見なかった形だが?
「そうですね。練習ではあまりトライしていないけど、フランス戦やブラジル戦でも(本田)圭佑がトップに入ることもあったようなので、そういうのもやっていくのかなという気がする。でも、それでも圭佑がサイドに流れたときは、僕が1トップに入るときもあるし、そのへんは流動的にいけばいいのかなと思う」
―1-1になったとき、スタンドの雰囲気ががらっと変わったが?
「でも、ここからだなと思いましたね。勝負は、ここから自分たちがどれだけ耐えられるかだと思った。そこからもう一回勝ち越しを狙えるかだと思ったので、自分たちも引かずに、びびらずに最後までサッカーをできたと思うので、そこは良かった」
―細貝が入ったことによって守備的にやろうというイメージはなかったのか?
「チーム的にはカウンターが怖かったので、カウンター対策をしつつ、それでもヤットさんが前にいるということは、僕とかが裏を狙える。僕的には、ヤットさんに渡ったときとかは、長友や高徳も仕掛けられる。(酒井)宏樹もいるし、そういう意味ではヤットさんがパサーになって、あとみんなが流動的に動いてクロスまで持っていってゴールを決めるという流れだったと思う」
―監督の交代について、その意図をチーム全体で共有できるようになっている?
「出てくる選手の特徴をみんながよく分かっているので、何も言われなくても『こいつはこうやって使ったら生きる』というのが分かっている。それが日本の良さだと思う」
―失点シーンは壁が飛んだ下を通っていったように見えたが?
「ジャンプは、ちょっとはしないといけなかった。僕の左だったので、足を伸ばしても取れないなというところだったので、どっちが良かったのか。伸ばしても取れないところだったので。しょうがないゴールかなという感じがある。ボールも速かったので」
―このところ話していたゴール感覚の部分は?
「FWの感覚は、最近はちょっとサイドハーフが多かったので、ゴール前への入りだったり、最後に本能で突っ込めるところを突っ込めなかったりしていた。でも最近はシュツットガルトでも1トップや2トップを練習でもよくやらせてもらっているので、練習からずっとゴールを取るためのイメージを膨らませていた。あとは決めるというところの問題があったけど、それが最後のところでああいうゴールにつながってよかった」
―残り3試合で王手をかけた。
「もちろん油断はできない。ただ、自分たちで我慢して戦えたというのがあるし、イラク戦も1-0で勝ったし、オーストラリアも、判定もあったけどアウェーで1-1という最低限の結果を取った。自分たちのアジアでの戦いは悪くないかなと。でも、もちろんまだ圧倒していないので、課題はいろいろ残るけど、最低限の仕事ができていると思う」

●FW清武弘嗣(ニュルンベルク)
「最後に勝てて良かった。苦しい中で勝てたので良かった」
―先制点のシーンは?
「(長友)佑都くんが絶対に抜いてくれると思っていた。詰めるだけだったし、流し込むだけだった」
―シュートコースはあった?
「(人が)いないところに流し込んだだけです」
―A代表初ゴールだが?
「よかったけど、もう1、2点取るチャンスがあった。それがこれからの課題だし、チームに戻ってがんばりたい」
―交代してからはどう見ていた?
「絶対に勝ってくれると思っていた。チーム全体で勝った試合」
―後半途中からトップ下に移ったが?
「ある程度、フリーでボールを受けることができたけど、もっとゴール前まで行ければよかった」
―12年の代表戦はこれで終わりだが?
「最後しっかり勝って締めくくれたのはよかった。チームでがんばって、来年も代表に呼ばれるようにがんばりたい」
―ドイツに行って、ゴールへの意識を強く持たなければと言っていたが、その成果が出たゴールだった?
「これからもそうしないといけないと思うし、それが課題だと思っているので、続けていきたい」

●FW前田遼一(磐田)
「勝てるように試合に臨んだ。Jリーグに切り替えて、いいプレーができるようにがんばりたい」

●MF長谷部誠(ボルフスブルク)
―相手が大げさに痛がってみんな怒っていたが?
「試合前からあまり意識しすぎるのはよくないけど、レフェリングに対しては気をつけようというのを言っていた。簡単な接触でも取るし、特にPAの中とかは気をつけようという話はしていた。PKを与えなかったのはよかったと思う」
―失点場面は麻也もファウルじゃないと怒っていたが?
「あれくらいだったら絶対に吹きますね。あそこの部分はもうちょっと高い位置でつぶせればいいなというのはあった」
―今年最後の試合だったが、総括すると?
「個人的にはまだまだすべての面でレベルアップしなきゃいけない。チームとしては、結果として最終予選は非常にいい戦い方ができている。ただ、これから世界で戦うときにどうかというと、確固たる自信まではいってない。年内最後の試合で勝てたので、非常によかったと思うし、監督やコーチにもいいクリスマスを過ごしてもらえるのかなと思う」
―ヨルダン戦に勝てばW杯出場が決まるが?
「こういう試合やヨルダン戦で成長するということは監督も言ってるけど、なかなか難しい部分があるので、その中で一番はやっぱり結果だと思う。次のヨルダンもそうだと思うし、ヨルダンで決まればまた新しいチャレンジもできる。今日もキヨ(清武)もよかったし、(酒井)宏樹もよかったし、交代で入った(酒井)高徳も結果を出した。チーム全体がまた活性化しているから、成長してる部分もあると思う」
―高徳が入ったときのサインは?
「あのときはまだ1-0だったので、守備の部分だと思う。守備をしっかりやろうというのがあったと思う。ハジ(細貝)のところもそうかな。まず失点しないことだと思った」

●MF遠藤保仁(G大阪)
―決勝点のシーンは?
「中に(本田)圭佑とオカ(岡崎)が来ているのは分かっていた。(ボールが)来たら、いいところに流せばいいと思っていた。角度的に僕の位置からシュートは難しかった」
―あの時間にゴール前まで上がっていったのは?
「トップ下だったので、あの位置にいたのは普通のこと。来るだろうなと思っていた」
―アウェーで勝ち点3を奪ったが?
「勝ち切ることを目指してやっていた。時間帯によってはリスクを考えながらやっていたけど、全体的に雰囲気に飲みこまれず、全員が冷静に戦えていた。引き分けと勝ちでは全然違う。貴重な勝ち点3だと思う」

●MF細貝萌(レバークーゼン)
―1-1の状況での投入だったが?
「監督からは『真ん中に残ってくれ』と言われていたので、守備を締めてというイメージで入った。結果としてチームが勝ったのは大きい。勝ち越しを狙うというより、チームが押し込まれていたので、守備でチームをまとめることしか考えてなかった」
―暑さは?
「ドイツとは気温差があるし、向こうでは雪の中でやったりしていた。でもアウェーの厳しい中でやっていかないといけないし、ホームでは相手も自信を持っている。チームがしっかり勝ち点を取ったことが良かった」
―これでW杯出場に王手だが?
「監督も今日の勝利はすごい大事だと言っていたし、みんなも『勝ってクラブに帰ろう』と話していた」

●DF吉田麻也(サウサンプトン)
―失点のとき悔しがっていたが?
「一つ前もそうだし、FKにも少し触ったので……。代表でも、サウサンプトンでも、自分に当たって入る試合がここ何試合かあって非常に残念」
―苦しい試合だった?
「今日は今までの代表の中で、個人的には一番良くない内容だったと思う。チームとしては、厳しい状況で勝ち点3を拾えたのはすごく大きいし、中東での予選は内容よりも結果が大事だと思うので、そういう意味でも今日は大きな勝ち点3だと思うけど、個人的なパフォーマンスに関しては満足のいく試合ではなかった。でも、オカちゃん(岡崎)が帰ってきて、サイドからも点が取れるようになったし、このチームに必要不可欠の選手だと思うので、すごく良かったと思う」
―後半途中からラインを押し上げられなくなったが?
「前半もそうだし、暑さもあってかなり消耗していたと思う」
―暑さの中で意識したことは?
「なるべく自分たちでボールを保持して、相手を動かして消耗させること。1点取ったあとは、ボール回しも悪くなかったと思う。でも、やっぱり向こうは疲れない。自分が思っている以上に相手の走力があったと思う。取られ方が悪い場面もあったし、失点は僕のファウルから。つぶすならもっと高い位置でつぶさないといけなかった。あのファウルは不必要だった」
―暑さは想像以上だった?
「僕だけじゃなく、みんな、しんどかったと思う。今日は完全に僕のミスなので、チームメイトに感謝したい」

●DF長友佑都(インテル)
「チームメイトみんなが一つになって戦えた。それだけだと思うし、日本からもたくさんのサポーターが来てくれて、最後のパワーになった」
―暑さは?
「厳しい環境とコンディションだったけど、与えられた時間の中でメンタルと体を調整できた。そこがコントロールできたから最後まで走れたし、まったく問題なかった」
―後半途中からは左サイドハーフに上がったが、試合前に監督から言われていた?
「聞いてなかったけど、インテルでも最近はサイドハーフをやっている。そういう試合を見てくれて、評価してくれて、あのポジションをやらせてくれたと思う」
―1点目のシーンは?
「相手のバイタルエリアが空いていて、そこを狙っていた。後半も(本田)圭佑を狙っていた。カットされることが多かったけど、狙いとしてはよかったと思う」
―最後は守備的な交代にも見えたが?
「引き分けではなく、勝ちに行っていたし、サイドハーフに入ったからには絶対に点に絡むという強い気持ちでやっていた」
―次勝てばW杯出場が決まるが?
「『次、勝てば』とかは考えない。1試合1試合、すべての試合に勝つことを考えている。ここで満足していたら成長が止まる。すべて勝つつもりでいきたい」
―課題は?
「できれば危なげなく勝ちたかった。世界のトップを狙うなら、今日の勝利は満足できない。スペインが今日のオマーンとやっていたら、もっと点差が付いていたと思う」

●DF酒井宏樹(ハノーファー)
―やはり暑さはきつかった?
「後半くらいから試合が開始してくれれば良かったけど、暑くて僕だけうまく試合に入れていなかったので、そこが課題。逆に言えば後半、持ちこたえていたことが収穫なので、本当に日々成長です」
―尻上がりに良くなった?
「そうですね。まあ、あれ以上悪くならないですね。前半が終わったときは試合終了よりも疲れていた。今日は勝ったことが本当に良かった」
―1-1のあとのゲームプランは?
「間違いなく勝ち点3は狙っていたけど、向こうのホームなので圧倒される部分はあった。でも、本当に、点を取られなくて良かった。(酒井)高徳みたいに新しく入って流れを変えてくれる選手がいてくれると本当にうれしい」
―結果にホッとした?
「チームとして勝ち点3は必要だったので、これで王手をかけられて本当に良かった」
―コンディション面で、実際にやってみないとわからないという不安を昨日は話していたが?
「欧州組の人たちはこうやって過密日程でやってきたことがすごいと思う。自分が今日、こうやって体験できたことは次につながると思うので、次のときにもっと挑戦していかないといけないと思う」
―左サイドの長友から得るものはあった?
「もちろん自分より全然先を行っている人なので、純粋に学ぶべきことが多い。逆サイドなのでプレー中はなかなか学ぶというのは難しいけど、姿勢の部分とかそういうのはいつも学んでいる。A代表に集まるということは、みんな意識のすごい高い人たちばかりなので、学べることがすごく多い。ここに来ることが自分にとっては成長につながると思っている」
―所属で試合に出られないときの心構えなどを長谷部から学ぶようなことはあったか?
「欧州組もJの選手も、いつも代表の人たちはメンタルコントロールがうまいので、試合に出ていないときにやるべきことを分かっている。そういうのは素直に聞いたり学んだりしている。みんなが集まれば最近の状況を聞いたり確認したりし合いますね。今日はみんなに助けられて、試合の中で徐々に上がっていけた。後半くらいの運動量を最低でも出していきたい」

●DF酒井高徳(シュツットガルト)
「前半から相手が引いていたので、難しいなと思いながら試合を見ていた。でも、僕が入ったときは、相手が間延びしていたので、ボールを持ったら前に行こうと思っていた。(1-1だったので)守備のときはしっかり声をかけて、セーフティーにやろうと思った。(長友)佑都さんとのコンビネーションやタイミングを意識してやった」
―決勝点を演出したが?
「シュツットガルトより先に日本でやれて、それは良かったです。その前に高い位置まで行って上げられなかったところがあったので、佑都さんの前半のアシストのように仕掛けるところは仕掛けたほうがいいと思った。チームでしっかり戦って、そうすれば代表にコンスタントに呼ばれるようになると思うので、しっかりとやっていきたい」
―チームでは右サイドバック、今日は左。違和感はなかった?
「そんなにイメージと違ったところはなかったけど、駒野さんを見ていると左右遜色なくやっている。見習ってやっていかないといけない」

●GK川島永嗣(スタンダール・リエージュ)
―暑さはどうだった?
「僕はGKだから、まだ大丈夫だけど、走る選手にとっては簡単ではないと思うし、寒いところから急に来て、やらなければならないのは、正直フィジカル的にも難しい条件だと思う。ただ、今まではそれが言い訳になってしまう部分もあったけど、今のチームはそれを乗り切れるだけの強さがある。選手それぞれにそういう環境への対応力があると思うし、アウェーでは常にいろんな条件が重なって、簡単な試合はないけど、自分たちが乗り越えられるという自信を付けるのは大事なこと。そういう意味でも、今日の試合は大きかったと思う」

(取材・文 西山紘平、矢内由美子)
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