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日本vsカナダ 試合後の選手コメント

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[3.22 国際親善試合 日本2-1カナダ ドーハ]

 日本代表は22日、カタール・ドーハのハリファスタジアムでカナダ代表と国際親善試合を行い、2-1で競り勝った。前半9分、FW岡崎慎司が国際Aマッチ3戦連発となる先制点。後半13分にCKから追いつかれたが、同29分に後半から出場のFWハーフナー・マイクが決勝点を奪った。

以下、試合後の選手コメント

●FW香川真司(マンチェスター・U)
「トップ下うんぬんではなく、前半は球際やプレスのかけ方、すべてにおいて相手がうまくやっていて、こっちのやりたいことができなかった。良い課題が出たと思う。前半のようではヨルダン戦は厳しい」
―ハーフタイムにはどのように修正しようと話したのか?
「プレスに行っているのにかわされたり、曖昧な守備が多かったので、しっかりFWから一つの方向に(追い込んで)、全体をコンパクトに保ちながらいこうと話した」
―攻撃面は?
「攻撃面は距離感が良くなかった。サイドハーフが張っていたので、ボランチもボールを動かせなかったし、CBから前田さんに出すボールが多くて、厳しかったと思う。前半の途中から乾が中に入ってきて起点をつくれるようになった。形にとらわれすぎたかなと思う。前半はファーストポジションを意識しすぎて、起点が見つからなかった」
―トップ下がサイドに寄るなと監督は言うが?
「監督に言われたことプラスアルファで、流れを読んでやっていかないといけないけど、それは日本人の良くないところでもあるし、良いところでもある」
―アピールしたいという選手がいることで意思統一が難しくなるという面もある?
「アピールしたいという気持ちは僕にもある。反面、チームとして勝っていく必要もある。若い選手もいるけど、僕らのように経験のある選手が引っ張っていかないといけない」
―トップ下で出たのに結果を残せないという歯がゆさがある?
「それはありますね。でも、トップ下なら前を向きやすいし、サイドならフリーでもらえるし、どちらのポジションにも良さがあるので、その良さを生かしていきたい」
―トップ下として伸び伸びできたという思いはある?
「それはないでしょ。結果も出ていないし。でも、チームとして難しい試合だったので、(この試合で個人の)評価をされるのは難しいと思う」
―ヨルダン戦に向けて。
「ヨルダン戦に向けて確認できたことはいっぱいある。ヨルダン戦でもロングボールを蹴られてラインが下がってしまうこともあると思うし、そこはしっかりやっていきたい」

●FW岡崎慎司(シュツットガルト)
「入りがあんまりよくなくて、何となく試合に入ったというか、一番よくない形で試合に入ってしまった。相手のミスもあって、チャンスをつくって、点を取れて、1点取ってうまくいくかなと思ったけど、ズルズルと時間が経っていった。勝ったことがよかっただけで、90分を通して相手にいい形をつくられた。こういう試合をして、ピリッとW杯予選にいけるのはいいことだと思う。いい反省材料にして、これをヨルダン戦でやっちゃいけない」
―得点シーンは?
「(トラップで)いいところに置こうと思ったけど、うまくいかなくて、DFをかわした。テンポが遅れて、入らないかなと思ったけど、ああいうのが代表では入るから、思い切ってできる(苦笑)。タッチがうまくいかなり割に、いいところに置けた」
―早い時間に先制してチームが安心した?
「チーム全体として狙いどころがハッキリしなかった。ロングボールを蹴られてセカンドボールを拾われて。前半は(香川)真司がトップ下に入っていたけど、もっとあいつを生かせる場面をつくれればよかった。前は取りにいくけど、後ろが付いていかなくて。ボランチがヘディングしても、拾う選手がいなかった。そういうのは次のヨルダン戦でもあると思うし、いい反省点になった。理想はCBが競って、ボランチが拾う形。今日は後ろが下がっていて、ボランチが競ったボールを相手に拾われていた。気持ちの部分で何となく入ってしまった。これがカナダ戦でよかった」
―前半は香川がトップ下に入っていたが?
「セカンドボールを拾えなかったけど、真司と前田さんがフラットになっていたので、縦関係にしたら取れるようになった。真司が(自分に)寄ってくるようになったらワンツーもチャレンジできたし、良かった。それが鍵になる。監督から、僕がサイドに行ったときに近寄るなと言われていることで、自由に動き切れなかったんじゃないかな。考えすぎていたように思う。でも、たまにトップ下をやるというのは難しいものがある」
―ポジションチェンジは監督が好まない?
「僕の考えですが、真司のトップ下や乾が左とか、たまにやると、ポジションチェンジをしたとき、“なんでやるんだ”となる。たまにやるポジションで自由にやるのが難しいのはしょうがないし、今日に限ったことじゃない。やり続けることで、そいつなりのトップ下やそいつなりのサイドの形ができる。自信というのは何試合も繰り返すことによって出てくる」

●FWハーフナー・マイク(フィテッセ)
―決勝点を決めたが?
「もっと早い段階で点を入れるチャンスがあった。そこを決めていればチームがもっと楽になった。これを忘れて、またしっかり練習して。次が本番なので、それに備えたい」
―得点シーンは?
「ニアに(中村)憲剛さんか(香川)真司が走り込んで、こぼれたので蹴り込んだ。点を取ったというより、外したほうが多かった。そこを決めていれば、もっとアピールになったし、チームも楽になった。欲が出過ぎて、自分らしからぬループで打ったら、よく分からない方向に飛んだ。普通に打てばよかった。あれは申し訳なかった」
―体がさらに強くなったようだが?
「そこは監督にも言われて、毎週、筋トレもしている。ただ、体質的になかなか太らなくて……。いいサプリがあったら教えてください(笑)。体重は2kgぐらい増えた。でも、試合が終わったら4kgぐらい落ちて、1週間食べて85、86kgに戻るという繰り返し。試合が終わっても体重が変わらずに、どんどん増えればもっといい体になる。90kgはいきたい。この体(194cm)なら世界的には普通だと思う」
―ヨルダン戦は先発で出たい?
「どの選手でもそう考えると思う。でも、まずは予選突破が一番。だれが先発で出ても、少しでもチームに貢献できるようにがんばりたい」

●FW乾貴士(フランクフルト)
「もうちょっとボールに絡みたかったし、張りすぎて(香川)真司との距離も遠くなりすぎたので、もう少し中へ入れれば良かったかと思う。(酒井)高徳との関係はそんなに悪くなかったので、高徳が上がれるように、いいタイミングで中へ入れれば良かった」
―カウンターを受ける回数が前半は多かった?
「カウンターは多かったけど、チームとしてもう少し崩したかった」
―ザックジャパンでは初先発。意識したことは?
「入り方は意識しないといけないと思っていたので、ファーストプレーとか、チームとして最初の時間帯が大事なので、途中からというよりも、そのへんは意識した」
―守備での意識も高いように見えたが?
「守備でのポジショニングは言われるので意識しました。守備も求められると思っているので、できることはやろうと。最初のポジショニングのところはよく言われるので、そこは意識しないといけないけど、そのあとの動き、スタートポジションからの動きがあまりよくなかった。もう少しいいタイミングで中に入って、真司のサポートだったり、ヤットさん(遠藤)からのボールを受けたりというのをしたかった。もうちょっとできたかなと思う」
―得意の切れ込んでのシュートもあった。攻守の手応えは?
「イマイチ良くはなかったけど、最後の方にヤットさんとワンツーしたときのようなプレーをしていけば。あれは自分のファーストタッチが良くなかったので。ああいうのを出していければチームとしても良くなる。自分としてもああいうほうがやりやすい。張っているよりもみんなの距離を近くしてやるほうがいいんじゃないかと、憲剛さんともヤットさんとも話しました」
―後半は右もやった。
「右はあまりやったことがないけど、裏に飛び出すことは常に意識している。あとは、憲剛さんが入ったあと、もう少し中に入って、中で止まっておけと言われたので、そういうのを意識しながらやった」
―ヨルダン戦に向けて。
「いい相手とやれたと思う。うまい選手もいた。いい準備になった。その中でセカンドボールを拾えなかったり、フィニッシュの精度のところはやっぱり意識の問題だと思う。悪いところだけではなく、いい課題が出たと思うし、こういう試合でもしっかり勝ち切れたのは良かったんじゃないかと思う」

●FW前田遼一(磐田)
「できれば動きを出してボールを受けたかった。ただ、ああいう中でもキープしないといけなかった。なかなか難しい展開だった」
―プレスがはまらなかった?
「なんかうまくいかなかった」
―それでもシュートを打つ場面もあったが?
「決めないといけなかった」
―狙いがハッキリしなかった?
「そんな感じになってしまった」

●MF長谷部誠(ボルフスブルク)
―どんな課題が出た?
「課題は3つ出た。セカンドボールを拾われていたこと。組み立てのときに簡単なミスがあったこと。フィジカルで負けている部分もあった。良くない点はこの3つかなと思う。もちろん選手間の距離感も遠くて、うまくプレッシャーをかけることができなかった。立ち上がりも良くなかった。セカンドボールへの意識は全体的にもっと高く持たないといけない。セカンドボールはほとんどポジショニングで決まる。今日はそういうところは欠けていたと思う」
―攻撃は?
「この1週間は攻撃の練習に時間を割いていたので、今日の試合で監督が要求していたのは攻撃が大きかったと思う。練習でやったことができたのもあるけど、監督の戦術は非常に細かいので、そればかり頭に入れてしまうと、相手も試合では練習どおりに動かないので難しい」
―セカンドボールが取れなかった理由は?
「前半はロングボールで前田さんに出して奪われることが多かった。フィジカルで強い相手だとああいうのは苦しい。つないでいくべきだった」
―後半にメンバーが代わってボールが回るようになったが?
「後半の方が距離感が良くなった。乾と(香川)真司のところでも、しっかりとした距離感のときには崩せていた。彼らの問題だけではなく、ボランチを含めた後ろからの組み立ての問題でもある。今日の内容なら4、5点は取っていないといけないゲームだった。2点では満足できない」」
―接戦だったのはヨルダン戦に向けて好材料なのでは?
「それはあります。カナダは前からディフェンスしてきて非常にいいチームだったし、ヨルダン戦では押し込まれる時間帯はあると思うので、そういうときの対応としては、今日を反省材料にできる。また緊張感を出していけると思う」
―先制の起点となったスルーパスは?
「久々に中盤で出て、個人的にはフィーリングも良かった。3列目からの飛び出しながらのスルーパスは自分の特徴でもある。これからはもっと良さを出していかないといけない」
―ヨルダン戦に向けて。
「コンディションとチームの雰囲気を持っていくだけ。今日は練習試合でふわっとしたけど、もっとピリッとしたものにしていきたい」
―前後半の布陣。どちらもOK?
「相手の問題もあるし、後半の方が前半より修正できるという面はあるけど、どの(構成)チームで出てもヨルダンには勝てると思う」
―アウェーの難しさは?
「アウェーはどの試合も簡単じゃないですからね。でもそれがW杯予選の醍醐味というか、厳しさを知る場所。ホームとは違う。ピッチ外のこともいろいろとある。アジア予選、圧倒的な強さで勝ちたいので、次に決めたい」
―監督の細かさはさらに上がったのか?
「それは変わらないけど。新しい選手にとっては難しいと思う」
―香川選手は、トップ下で出るとどうしても監督の指示にとらわれがちなようだが?
「トップ下でプレーしているときも、前を向いているときは彼の良いところを出せていたし、逆に相手を背負ったときには簡単にボールを失うこともあった。彼の良さをトップ下のときに出してやるような周りの気遣いも大事なのかと思う」
―去年もトップ下でDFを背負うと難しそうだった?
「彼の一番はゴール前でのプレーですからね」

●MF遠藤保仁(G大阪)
「サイドから崩せるのが一番いい。サイドを使えれば中も空いてくる。すべてはヨルダン戦。いい部分も悪い部分も確認できたことはよかった。こっちで1試合して、コンディション的にもよくなる。今日勝って次も勝つ保証はない。前がプレスをかければ、ヨルダンもほぼ蹴ってくると思う。コンパクトにしないといけない」

●DF酒井高徳(シュツットガルト)
「前半は自分のところでボールを持つ時間が長くて、裏を突くのに苦労した。後半、(香川)真司くんがこっち(左サイド)に来てから中で起点をつくれるようになって、後半はやりやすかった」
―ヨルダン戦に向けて課題は?
「全体的に試合を通して守備がはまらなかった。どこで取るかがハッキリしなかった。バイタルエリアでセカンドボールを拾えなくて、そうすると後ろは引いて遅らせる対応になる。それで押し込まれてズルズル下がってしまった」
―交代はケガ?
「ちょっとつっただけ。ターンしたときにピンと来たので」
―A代表では初先発だったが?
「いろいろ考え過ぎた。いい意味で考えずに、リズムよくプレーすればよかった。どこに出そう、だれを使おうと、いろいろ考え過ぎてミスが多くなった」
―2点目につながったクロスは?
「当たり損ねです(苦笑)。その前にもGKと1対1があった。GKをかわして、冷静になれればよかった。中で真司くんがフリーだったらしいので。シュートを打てると思って打ったけど……」

●DF伊野波雅彦(磐田)
「サイドを何回も変えられて、振られるのがきつかった。でも、やりづらい相手とやれたのはよかった」
―交代はケガ?
「背中が痛かった。相手の膝が入った。もっともっと成長しないといけない。チームでやっているようなプレーはまだ出せていない」
―吉田とのCBは?
「これまでも何回もやっているし、今回は準備する時間も長かった。お互いにイメージを持ってやれた。失点シーンはやられちゃいけないところだったし、自分の責任でもあるけど、CK以外は、守備の部分はある程度手応えをつかめた」

●DF内田篤人(シャルケ)
「セカンドボールを拾えなかった。落ちるところにカナダの人が多かった。ああなると、どうしても押し込まれる」

(取材・文 西山紘平、矢内由美子)

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