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横浜FMが鳥栖に勝利。俊輔直接FK弾! ルーキー松本がデビュー

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[10.9 天皇杯3回戦 横浜FM2-1鳥栖 ニッパ球]

 天皇杯3回戦の1日目が9日に各地で8試合が行われ、横浜・ニッパツ三ツ沢球技場ではJ1横浜F・マリノスとJ2サガン鳥栖が激突した。横浜FMのFW山瀬功治と鳥栖FW山瀬幸宏の兄弟対決となったが、横浜FMがMF中村俊輔、FW小野裕二のゴールで2-1勝利。4回戦進出を決めた。鳥栖は終盤粘りを見せ、MF早坂良太が1点を返したが、そこまでだった。

 横浜FMは日本代表でDF栗原勇蔵が不在、DF中澤佑二も怪我で欠場した。システムは4-4-2でGKは飯倉大樹、DFラインは右から天野貴史、波戸康広、松田直樹、金井貢史。中盤はボランチに小椋祥平と兵藤慎剛、2列目右に中村俊輔、同左に狩野健太が入った。2トップは山瀬功治と小野裕二が組んだ。

 対する鳥栖も4-4-2を採用。GKは室拓哉、DFラインは右から田中輝和、木谷公亮、 飯尾和也、磯崎敬太。中盤はボランチに丹羽竜平と衛藤裕、2列目右に早坂良太、同左に金民友が入った。2トップは山瀬幸宏と萬代宏樹だった。

 序盤から個人技で勝る横浜FMが圧倒的に中盤を支配。シュートも積極的に打っていった。開始2分、左45度から狩野がシュート。同9分には金井の横パスから小野、さらに同13分にはこぼれ球から金井がシュートを放つ。しかし、いずれも枠を捉え切れなかった。

 鳥栖は引いて守り、前線の山瀬幸、萬代に集めようとするがうまくいかない。前半15分には丹羽がミドルシュートを放ったが、力なくGK飯倉の正面を突いた。その後もカウンターを狙うが、決定機は作れなかった。

 攻めても攻めても点が取れない横浜FMだったが、ファンタジスタの一撃で先制に成功した。前半23分、小野がPA手前右45度で倒されて得たFKを、中村俊輔が得意の左足を振り抜いてゴール右上隅に叩き込んだ。GK室も読んでいたが、コースが良かったため取ることはできなかった。その後も俊輔を中心に攻めた横浜FMだったが、前半は追加点が奪えず、1-0で折り返した。

 後半、ともにメンバー交代なく試合がスタート。鳥栖は開始1分、田中がPA右からシュートを放ったが、枠を外した。後半も横浜FMがボールを支配するが、ゴールが奪えない展開が続く。しかし、若きストライカーが均衡を破った。

 後半14分、小野裕二が左サイドでパスカットしてドリブル突進。PA内左から右足を振り抜き、GK室の手を弾いてゴール右に突き刺した。いい時間帯でのゴールで2-0とリードを広げた。

 横浜FMは後半16分、前半終盤に軽く足を痛めていた兵藤に代わってMF清水範久を投入。そのままボランチに入れた。対する鳥栖もその2分後、金民友に代えてMF長谷川博一を送り出した。すぐあと鳥栖がチャンスを作る。ゴール前の混戦で松田が足を滑らし転倒。こぼれ球を山瀬幸が左足でシュートしたが、間一髪で防がれてしまった。

 横浜FMは後半24分、狩野に代えてFW渡邉千真を投入。山瀬功を中盤に下げたシステムでゴールを狙った。鳥栖は同28分、飯尾に代えてDF呂成海を入れ、守備の引き締めを行った。

 横浜FMの渡邉はゴールを決めてリーグ戦につなげたいところ。後半30分、俊輔が左サイドの小野へ縦パス。グラウンダークロスに反応して渡邉は左足を振り抜いたが、枠を外してしまった。その1分後には山瀬が中央を抜け出して右足シュートを放ったが、決め切れなかった。

 鳥栖は後半33分、山瀬幸に代えてMF金浩男を投入。何とか1点を奪いに行った。対する横浜FMは同37分、早大出身のルーキーMF松本怜を投入。期待のスピードスターがプロデビューを果たした。

 鳥栖はあきらめずに粘りを見せ、そしてこれがようやく報われた。後半40分、長谷川、衛藤とつないで最後、早坂良太がゴールを決めて1点差に詰め寄った。ただ、横浜FMは慌てなかった。試合はそのまま2-1で終了。決定力に不満を残したが、4回戦に駒を進めた。

(取材・文 近藤安弘)

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