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土壇場で5発勝利の柏「キセキ起こす」

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[11.8 J1第31節 柏 5-0 清水 柏]

 同じ千葉県のライバル、ジェフユナイテッド千葉のJ2降格が決まった8日、柏レイソルはJ1へ踏みとどまるための大きな勝ち点3を挙げた。FWフランサが先発で初めてコンビを組むFW澤昌克や右MFの杉山浩太、左の大津祐樹といった運動量の多いアタッカーたち巧みに使い、再三の好パスからチャンスを演出。25分のMF大谷秀和の先制ゴールを皮切りに36分にも大津がゴールを破ると、後半もフランサの2発などリーグ3番目に失点の少ない清水ゴールを次々と襲っていき、今季最多の5得点で快勝した。 

 4月29日の大分戦を2-1で勝った後、ホームでの成績は実に3分8敗。ホームでの不振が順位に影響していた。また10月24日の山形戦を落としてリーグ戦3連敗をしたことで、残り4試合で15位の大宮との勝ち点差は9にまで広がった。J1残留するためには、1敗することもほぼ許されない状況だった。だが、その逆境がチームを奮い立たせた。1得点1アシストの大津は言う。「『やらなきゃいけない』という順位だし、ここで勝つことが次につながる。次に進むためにも残留したいという気持ちを出せた試合だった」。後半終了間際に5点目を決めたFW北嶋秀朗は「(残留争いで)苦しい試合が続くのは自分たちが招いた結果」と認め、千葉が降格したことについては「千葉県のためにもJ2に2チームあるということはいいことではない。柏は残れるように頑張る。奇跡を起こすしかない」と誓った。

 自分たちができることは残り試合を全勝して他のクラブの結果を待つことだけ。この日厳しい状況の中で迎えた試合だったが、今季最高とも言える内容と4位の清水から奪った5発でチームは悪い流れを振り払った。そして大宮が敗れたことでJ1残留圏内との勝ち点差は6へと縮まっている。フランサは「きょうの試合だけを見たらこういう順位にいることが不思議なくらいの試合ができた。(応援してくれる)サポーターにもきょうの試合だけでなく、残りの試合もきょうのような気持ちで帰れるように、J1残留できるように頑張る」。新潟、大宮、川崎Fと続く残り3試合。この日挙げた最高の勝利をきっかけとして柏が「奇跡を起こす」。

<写真>土壇場で踏み止まった柏
(取材・文 吉田太郎)

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