beacon

千葉が意地の1勝、江尻監督は待望初勝利

このエントリーをはてなブックマークに追加

[11.22 J1第32節 千葉2-1F東京 フクアリ]

 J1第32節は22日、残り2試合を行い、フクダ電子アリーナでは降格の決まったジェフユナイテッド千葉とACL出場権獲得を目指すFC東京が対戦。千葉は前半25分、FW新居辰基のゴールで先制すると、1-1の後半1分にFWネット・バイアーノが勝ち越しゴールを奪い、2-1で競り勝った。7月4日の大分戦以来、実に16試合ぶりの勝利で、江尻篤彦監督にとっても就任後、リーグ戦初勝利となった。

 千葉は4-4-2のシステムで、GK岡本昌弘、4バックは右から坂本將貴、福元洋平、斎藤大輔、アレックスと並んだ。中盤は工藤浩平と中後雅喜のダブルボランチで、右に谷澤達也、左に米倉恒貴。2トップは新居辰基と巻誠一郎だった。
 FC東京も4-4-2で、GK権田修一、4バックは右から椋原健太、ブルーノ・クアドロス、今野泰幸、徳永悠平。MF梶山陽平が出場停止の中盤は米本拓司と羽生直剛がダブルボランチを組み、右に中村北斗、左に鈴木達也が入り、赤嶺真吾と平山相太が2トップを組んだ。

 F東京は前半3分、平山のシュートがゴールポストに弾かれるなど序盤からチャンスをつくった。千葉は最終ラインが不安定で、裏のスペースやバイタルエリアをF東京に突かれる場面が目立った。

 ただ、F東京も崩しの部分でミスが多く、なかなか決定機をつくれない。千葉は5分過ぎから右サイドにポジションを変えた米倉がアクセントとなり、何度か右サイドからチャンスを演出。前半8分にはF東京のビルドアップのミスを奪い、谷澤がドリブルで持ち込み、シュートまでつなげた。

 前半19分、千葉にアクシデントが襲う。巻がボールをカットした際、左ひざを痛め、ピッチに倒れ込んだ。そのまま起き上がることができず、担架でロッカールームまで運ばれ、FWネット・バイアーノとの交代を余儀なくされた。

 しかし、代わって入ったネット・バイアーノが起点となり、千葉が先制に成功する。谷澤のパスを受けたネット・バイアーノが左サイドに展開。アレックスの左クロスに新居がヘディングで合わせ、ゴールネットを揺らした。

 F東京もすぐに反撃。前半30分、中村、鈴木と1タッチで細かくつなぎ、赤嶺が抜け出すと、落ち着いて右足でゴールに流し込み、すぐさま同点に追いついた。

 前半終盤には千葉が立て続けにチャンスを迎える。前半42分にはネット・バイアーノの浮き球パスを受けた新居がPA内で切り返し、シュートを打ったが、GK権田が至近距離で体を張ってセーブ。ロスタイムにもアレックスの左クロスから坂本がフリーで左足で狙ったが、枠を捉えられなかった。

 1-1で後半に突入すると、前半の流れそのままに立ち上がりの1分に千葉が勝ち越しに成功した。坂本の右クロスに合わせたのはネット・バイアーノ。強烈なヘディングシュートがゴールに突き刺さり、2-1と再びリードを奪った。

 F東京のミスの多さもあり、高い位置からプレスのかかった千葉は試合の主導権を握り続ける。後半4分にはアレックスの右CKから米倉がヘッド。同5分にも中後、新居、工藤とダイレクトでつないで最後は米倉が右足で狙ったが、ともに枠を捉えられなかった。

 リズムのつかめないF東京は後半8分、赤嶺に代えてFW近藤祐介を投入。しかし、梶山不在の中盤は上手くゲームコントロールできず、前線を変えてもあまり効果はなかった。

 後半18分にはF東京にさらなる追い打ちが襲う。平山がひじ打ちでこの日2枚目の警告を受け、退場処分に。1点ビハインドの上、数的不利を余儀なくされた。

 F東京は後半24分、中村に代えてDF平松大志を投入。平松がセンターバックに入り、今野が中盤へポジションを上げた。鈴木もFWの位置に上がり、4-3-2の形になった。

 10人ながらリスクを冒して攻撃に出るF東京は後半32分、羽生に代えてMF大竹洋平を投入し、最後のカードを切る。猛攻を仕掛けるF東京だが、千葉も粘り強く対応。後半ロスタイムには今野の右クロスから鈴木のシュートがポストに当たるチャンスもあったが、最後までゴールを奪えず、1-2で敗戦。2連敗でACL出場権獲得となる3位以内の可能性は消滅した。

(取材・文 西山紘平)

TOP