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遅すぎた勝利も…千葉が「プライド」の1勝

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[11.22 J1第32節 千葉2-1F東京 フクアリ]

 ジェフユナイテッド千葉が7月4日の大分戦(2-1)以来、141日ぶりの白星を飾った。7月に就任した江尻篤彦監督にとっては就任13試合目で待望の初勝利。試合後の記者会見では「長かったですね…」と安堵の表情を浮かべていた。

 8日の川崎F戦(2-3)に敗れ、クラブ史上初のJ2降格が決定。15日の天皇杯4回戦では岐阜に完敗とも言える0-1の敗戦を喫し、チーム状態はどん底まで落ちていた。

 落ちるところまで落ちたことで選手は開き直った。DF福元洋平は「岐阜戦は本当にふがいない試合をしてしまった。今日、何をかけて戦うのか。勝ち点というより、プロとしてのプライド。サポーターは応援してくれているし、選手ひとりひとりがそれを感じてプレーできたと思う」と言う。

 残留争いのプレッシャーから解放されたのは選手だけではなかった。「僕自身、降格争いにのまれてしまっていたところはあった」と江尻監督も認める。「今までと違ったものを見せたかった」(福元)とリスクを冒して最終ラインからビルドアップし、サイドに展開しゴール前に放り込む。クロスから奪った2得点は、来季にもつながるはずだ。

 とはいえ、遅きに失した感は否めない。J2を舞台に移す来シーズンは、毎試合がプレッシャーとの戦いだ。重圧に負けないメンタルと確固たるサッカー。この日の勝利に満足することなく、さらに上を目指していかなければ、1年でのJ1復帰は簡単な道のりではない。

<写真>でんぐり返しパフォーマンスを見せる千葉選手達
(取材・文 西山紘平)

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