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フランサ“魔法の一撃”も柏のJ2降格が決定

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[11.28 J1第33節 大宮 1-1 柏 NACK]

 柏レイソルのJ2降格が決まった。J1は28日、第33節7試合を行い、さいたま市のNACK5スタジアム大宮では15位の大宮アルディージャと16位・柏のJ1残留を争う2チームが直接対決。後半29分に大宮MF橋本早十が先制ゴールを決めた試合は、引き分けでもJ2降格の決まる柏が直後にFWフランサのスーパーゴールで同点に追いつく。だが、勝ち越すことができず1-1で試合終了。最終節を残して柏の今季16位とJ2降格が決まった。

 勝ち点4差でこの日を迎えたホームの大宮、アウェー・柏ともに4-4-2システム。大宮はGKが江角浩司で4バックが右から波戸康広、片岡洋介、マト、冨田大介。中盤中央に青木拓矢と橋本早十が入り、右MFが 藤本主税で左MFが内田智也。2トップには石原直樹とラファエルが構えた。

 一方の柏はGKが菅野孝憲で最終ラインが右から小林祐三、パク・ドンヒョク、近藤直也、橋本和。栗澤僚一と大谷秀和をダブルボランチに右MFが村上佑介、左MF大津祐樹、2トップはフランサと澤昌克が並んだ。

 ゴール裏に掲げられた「大宮の男なら今日決めろ!」の横断幕の前で大宮がJ1残留を決めた。サポーターのメッセージに応えるため、大宮は序盤から闘争心十分の攻守。だがJ1残留の可能性をつなぐためには勝つしかない柏は、すぐに主導権を引き寄せる。
 ただ、ボールは持つものの、人数をかけてゴール前の守りを固める大宮守備陣を切り崩すことができない。柏は前線でキープできず。村上の右クロスをフランサが頭で合わせたほか、フランサの絶妙なサイドチェンジから小林が仕掛けて大谷がシュートを放つ場面もあったが、得点を奪えないまま前半終了。まず失点を防ぎ、ラファエルと石原、藤本の少ない人数でカウンターを仕掛ける大宮の思い通りの展開となった。 

 それでも後がない柏は後半、徐々にチャンスの数を増やしていく。13分には左CKのこぼれ球をフランサが右足ダイレクトで合わせ、15分には左クロスを澤が頭で折り返す。そして最後はフランサが右足ボレーを放つがこのシュートはGK正面で江角の手中に収まった。22分にはFW北嶋秀朗を投入して1点をもぎ取りにいく柏。だが、ラファエルが抜群のスピードとパワーを生かして個人でチャンスをつくり出す大宮は29分、左クロスをラファエルがDFを背負いながらも、走りこんできた橋本へ難なく胸で落とす。これを橋本がコントロールからの左足シュートでゴールを破った。

 値千金の一撃で勝利とJ1残留に大きく近づいた大宮。だが、柏はフランサが“魔法の一撃”でチームを蘇らせる。31分、左クロスがファーサイドへと流れると、これを拾ったフランサがわずかに空いていたコース、ニアサイドのゴール右上に右足シュートを突き刺し、歓喜をもたらした。
 10番の鮮やかな一撃で勢いづいた柏は直後にFW田中順也とMF菅沼実を同時投入。DFを減らして前線の人数を増やした柏は38分、フランサのパスを北嶋が落とし、最後は菅沼が右足を振りぬく。だが、シュートはGK正面。さらに4分が提示されたロスタイムには菅沼の右クロスを近藤が頭で合わせるも、シュートは枠を捉えず。粘り強くゴールを守る大宮は最後まで勝ち越しを許さない。
 そして49分、2点目のゴールが遠い柏に無情のホイッスル。降格の決まった柏イレブンは呆然とピッチに立ち尽くした。

(取材・文 吉田太郎)

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