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監督交代効果! 大宮が開幕戦以来の勝利で17位→14位浮上

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[5.1 J1第9節 大宮2-1京都 NACK]
 監督交代効果だ! J1第9節は1日に全9試合が行われ、NACK5スタジアム大宮では大宮アルディージャ京都サンガF.C.が激突。張外龍監督が電撃辞任した大宮は鈴木淳新監督の初陣だったが、FW石原直樹の2得点で2-1勝利。開幕戦以来の2勝目をつかみ、17位から一気に残留圏の14位に浮上した。
 開幕戦以来勝ち星がなく、28日に就任したばかりの鈴木新監督がどんなチームを作るか注目されたが、システムは変わらず4-4-2のままで、布陣もほぼ同じ。左MFが内田智也に代わり金久保順がリーグ戦初先発した。まだ日が浅いため、これまでのやり方が踏襲されたといえる(メンバー)。
 対してリーグ戦4試合連続で勝利がない京都は攻撃陣を入れ替えた。17歳FW宮吉拓実、怪我で出遅れていたFWドゥトラがリーグ戦初先発。代わりにFW柳沢敦がベンチスタート、MF西野泰正がベンチ外となった。システムは4-5-1で、ドゥトラが1トップを、宮吉が右MFを務めた(メンバー)。
 開始から京都が前線から激しいプレッシャーをかける。大宮はやや面食らった感があったが、前半9分、右からのMF橋本早十のクロスに、DF杉山新がヘディングシュート。これはGK水谷雄一の正面を突いたが、ここからリズムを取り戻した。
 2トップの石原直樹、藤田祥史がしっかりとプレスをかけ、ボールを回す時間が増えていく。そして前半11分、大宮が待望の先制点をつかんだ。
 左からのクロスに、ゴール中央でうまくマークをを外してフリーになっていた石原直樹が左足でボレーシュートを決め、1-0とリードをつかんだ。この直後、DFマトの第三子誕生を記念して、ゆりかごダンスが披露された。
 その後も、大宮は積極的なプレスで試合のリズムを作った。前半29分にはFKからDFマトがヘディングシュート。これはGK水谷にセーブされたが、勢いが感じられた。
 しかし、京都も黙っていない。後手に回りながらも、ディエゴが個人技で打開する場面も出てくる。後半36分にはPA手前からディエゴが左足でシュート。これは防がれたが、前線に絡むと怖さを見せた。
 そして前半39分、京都が同点に追いついた。右サイドからのクロスに、長身のDF郭泰輝が頭を合わせ、ゴールネットに突き刺した。その後、一進一退の攻防が続く。前半のロスタイムは3分。その終盤、右からのクロスにDF染谷悠太が足を合わせたが、精度を欠いて外した。前半は1-1のまま折り返した。
 後半、ともにメンバー変更なくスタート。どちらも前半からプレスをかけ、ボールの奪い合いに行く。そんな中、大宮が早い時間帯に勝ち越しゴールを奪った。後半4分、左サイドを崩し、最後は橋本がクロス。これをニアサイドに走り込んでいた石原直樹が再びボレー気味に右足を振り抜き、ゴールネットを揺らした。
 京都は後半15分、2選手を一気に入れ替えた。FWドゥトラに代えてMF安藤淳を、DF染谷に代えてMF渡邉大剛を投入した。これにより、宮吉がサイドからFWに回った。
 その後、一進一退の攻防が続く。互いにボールは回すが、バイタルエリアの崩しに工夫が足りず、長めのボールを入れる単調な攻撃に。大宮も後半23分、2人同時に入れ替え。FW藤田に代えてFW市川雅彦を、MF橋本に代えてMF内田智也を投入した。京都は後半31分、宮吉に代えて元日本代表FW柳沢敦を投入し最前線に据えた。
 大宮は後半34分、PA左で石川がシュートを放つが、ジャストミートせずGK水谷にセーブされた。さらに同35分、右サイドをMF内田が突破してクロス。うまくあいていたファーに蹴り込んだが、長身のDF郭にクリアされてしまった。
 京都は終盤、DFの郭泰輝を前線に上げてパワープレーに。柳沢との2トップのような形にしてゴールを目指した。しかし、大宮のDFラインもうまくブロックを形成し、しっかりと跳ね返した。
 大宮は後半41分、MF金久保に代えてDF福田俊介を投入。5バックのような形にして京都のロングボール戦術に対応した。京都は同43分、左サイドからのボールが運よくPA右のディエゴの前に転がり利き足とは逆の右足でシュート。しかしオフサイドだった。
 ロスタイムは4分。大宮はFW石原を残して引いて守った。後半46分、京都は右PA内を柳沢が突破して中に入れるが、クリアされた。京都は何とか同点に追いつこうと必死だったが、大宮も奮闘。何とか逃げ切り2-1で開幕戦以来の勝利をつかんだ。
(取材・文 近藤安弘)

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