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山形が横浜FMを下しJ1初の3連勝をゲット!

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[8.17 J1第19節 横浜FM0-1山形 ニッパ球]

 J1は17日に第19節の1日目が行われ、横浜・ニッパツ三ツ沢球技場では8位の横浜F・マリノスと10位のモンテディオ山形が対戦した。気温29.6度、湿度80%の蒸し暑さの中、山形が後半7分にセットプレーで1点をもぎ取り1-0勝利。J1昇格後、初の3連勝で暫定9位に浮上した。

 横浜FMは4-4-2を採用。GKは飯倉大樹、DFラインは右から天野貴史、栗原勇蔵、中澤佑二、波戸康広。中盤はボランチが小椋祥平と清水範久、右MFが中村俊輔、左MFが兵藤慎剛だった。最近、メンバーの入れ替わりの激しい2トップは、長谷川アーリアジャスールと山瀬功治が組んだ。

 対する山形は4-1-4-1を採用。GKは清水健太、DFラインは右から宮本卓也、前田和哉、石井秀典、石川竜也。中盤はアンカーに佐藤健太郎、2列目に秋葉勝と増田誓志、右サイドに北村知隆、左サイドに宮沢克行が入った。1トップは長谷川悠が務めた。

 序盤から横浜FMが中盤でボールをつなぐが、攻めあぐねる。山形は持ち味のサイド攻撃を出そうとするが、こちらも要所で精度を欠いた。気温約30度、湿度80%の猛暑の影響がもろに出た。

 最初のチャンスは横浜FM。前半12分、兵藤のスルーパスに山瀬が抜け出しシュートを放つが、わずかに左に外れた。同19分には左サイドから長谷川の長めのグラウンダーで右へ。これを天野が受けて突進するが、PA内でシュートを石川にブロックされた。

 山形はサイドから縦に速く攻めようとするが、うまく機能しない。前半24分、増田がミドルシュートで突破口をはかろうとするが、精度を欠いた。横浜FMもボールこそつなぐが、バイタルエリアは簡単に崩せない。そんな中、前半26分、俊輔が左サイド、遠目のFKをゴール前に蹴り込み、これを体勢を崩しながらも栗原が足を合わせてシュート。しかし、わずかに外れた。同43分には、俊輔の右CKを再び栗原が頭を合わせるが、左に外れた。前半は0-0で折り返した。

 横浜FMの木村和司監督はハーフタイムに「ボールキープゲームにならないように」と指示を飛ばしたが、後半序盤に横浜FMがややギアを上げた。同4分、左サイドを清水が攻め込み、山瀬へ。PA内左を仕掛けてシュートするが、相手DFにブロックされた。ここで得た左CKを俊輔が入れ、中澤が頭を合わせに飛び込むが、マークがきつくジャストミートはしなかった。

 そんな中、山形が大きな先制点を奪った。後半7分、PA右でセットプレーのチャンスをゲット。これを増田誓志がゴールエリア左に入れ、マークを交わした石井秀典が左足で押し込んだ。粘り強く守って、ワンチャンスを活かすという山形らしい形でゴールを奪った。石井は今季初ゴールとなった。

 横浜FMは後半13分、清水に代えてFW齋藤学を投入。俊輔がボランチに下がり、攻撃に厚みを持たせようとした。さらに後半21分、長谷川に代えてFW渡邉千真を投入した。山形も同時間に宮沢に代えてMF廣瀬智靖を送り出した。

 横浜FMは2トップが渡邉と山瀬、左MFが齋藤、右MFが兵藤、ボランチが俊輔という布陣へ変わった。後半22分、齋藤がドリブルで仕掛けて2人を交わして右足シュート。これはやや力なくGK清水にセーブされたが、斎藤が持ち味のドリブルを発揮した。

 それでも山形の守備網は硬い。DFライン、そして中盤が組織的に動き、跳ね返す。そしてサイド攻撃につなげた。後半31分、横浜FMはPA左を渡邉が突進し速いグラウンダークロス。これに兵藤がスライディングしながら飛び込んだが、山形DFがしっかり対応し、シュートはわずかに左に外れた。

 山形は後半33分、右SBの宮本に代えてDF小林亮を入れた。このサイドを何度か崩されていたために小林伸二監督が対策を練った。さらに後半36分、疲れの見えた前田に代えてDF園田拓也をCBに入れた。

 横浜FMは後半38分、波戸に代えて松田直樹を投入。松田をCBに入れ、高さがあり、攻撃力の高い栗原を前線に据えてパワープレーを狙った。残り5分を切ったあたりで、横浜FMは松田をボランチの位置に上げて、中澤と小椋の2バックにして攻撃を厚くした。

 山形は長谷川を残して引いて、守りに徹する。後半45分、横浜FMは中村俊輔がミドルシュートを放つが、枠を外した。ロスタイムは5分。両軍とも残された、わずかな体力を振り絞って戦う。横浜FMは“CF栗原”にハイボールを入れるが、ゴールにはつながらず。結局、山形が持ち味の粘り強さを見せて1-0で逃げ切った。三ツ沢に、山形サポーターの“歓喜の歌”が響いていた。

(取材・文 近藤安弘)

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