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2度の大怪我乗り越え、山形の伊東がリーグ初先発

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[11.27 J1第33節 F東京1-1山形 味スタ]

 苦難を乗り越え、ようやく成し遂げた。モンテディオ山形の大卒ルーキーFW伊東俊が、F東京戦でリーグ戦初のスタメン出場を飾った。4-5-1の左サイドで先発。持ち味のスピードを生かしたドリブル突破でF東京に脅威を与えた。

 「持ち味は前に行くドリブルとパス。ミスも多かったけど、元気よくプレーできたと思う。ボールを持って、前を向いたときのプレーには自信というか、手応えをつかめました」

 完全復活を印象付けた。青森山田高、国士舘大を経て今季から加入した。小柄だが、前述の通りスピードとドリブルが武器で、今季の開幕・湘南戦では1分間ながら途中出場を果たした。スーパーサブとして期待されたが、悪夢が襲う。3月24日の練習中に左足関節脱臼骨折を負い、全治3カ月と診断された。賢明なリハビリを続けたが、また不運に見舞われた。

 9月には左足三角骨障害を患い手術を受けた。全治は4週間だったが、その後、なかなかトップフォームに戻らずに苦しんだ。何とか11月17日の天皇杯・川崎F戦に先発し、20日のリーグ戦・磐田戦にはベンチ入りを果たした。そしてこの日、ようやく開幕戦以来となるリーグ戦出場を先発でつかんだ。

 患部については「まだ万全ではないです。少し、周りが固くなってるんで」と本調子ではないことを明かし、「最後のところがまだまだです。シュートまでいけなかった。(決定的な)パスも出せなかった」とシュート0本に終わったことを悔やんだが、切れのある動きを随所に見せ、明らかにFC東京DF陣を困らせていた。

 「残り1試合ですけど、来季に向けて、J1の感覚を覚えたいです」と伊東は貪欲な姿勢を見せた。開幕プロデビューも、その後は2度の大怪我と酸いも甘いも経験したルーキーイヤーだが、必ずこれを来季の飛躍につなげる。

[写真]山形FW伊東

(取材・文 近藤安弘)

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