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カズ投入も……富山が横浜FCに逆転勝ち

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[3.6 J2第1節 横浜FC1-2富山 ニッパ球]
 J2第1節の2日目が6日に各地で行われ、横浜・ニッパツ三ツ沢球技場では横浜FCカターレ富山が激突した。横浜FCのFW三浦知良が途中出場し、J1J2通じて自身が持つ最年長出場記録を44歳8日に更新したが、富山がFW苔口卓也の1得点1演出の活躍で2-1逆転勝ちした。
 横浜FCは注目の44歳FW三浦知良はベンチスタートだった。システムは4-4-2でGKは関憲太郎、DFラインは右から柳沢将之、飯尾和也、新潟から新加入の中野洋司、鹿島から新加入の宮崎智彦。ダブルボランチはブラジルから新加入のファビーニョとカイオ、右MFは横浜FMから新加入の藤田優人、左MFは中央大出のルーキー佐藤謙介が務めた。2トップは難波宏明と大宮から新加入の藤田祥史が組んだ。
 対する富山は3-3-3-1のシステムを採用。GKは内藤圭佑、3バックは右から足助翔、吉井直人、甲府から新加入の池端陽介。3列目は右から谷田悠介、F東京から新加入の平出涼、西野誠、2列目は右から甲府から新加入の大西容平、黒部光昭、朝日大輔。1トップは苔口卓也が務めた。黒部が前線に上がり2トップになるシーンもあった。
 試合開始から10分ほどは、流動的なシステムを使う富山が積極的な守備と効果的なカウンターで押し込んでいたが、先制点は横浜FCがつかんだ。前半17分、右サイドでルーズボールを藤田がヘディングで競り、敵陣ゴール前のDFにこぼれる。クリアされそうになったが、柳沢将之が果敢なプレスをかけて体に当て、こぼれ球が藤田祥史のところへ。期待のストライカーは落ち着いて左足で押し込み、ゴールネットを揺らした。
 これで流れが変わり、ホームの横浜FCがボールを支配する時間が増えた。しかし、富山も守備面で奮闘。ともにショートカウンター主体で一進一退の攻防が続いた。そんな中、前半34分、富山も横浜FCと同様に積極的なプレスが効いて同点に追いついた。
 横浜FCの左SB宮崎がボールを運ぼうとしたところ、大西容平が積極的にプレス。足を出して突進をブロックしたルーズボールが、運よくDFラインの裏へ抜け出した苔口卓也のもとへ。苔口は飛び出してきたGK関の上をやわらかく抜いた最初のシュートは左ポストに当ててしまったが、跳ね返りを自ら右足で押し込んで1-1と試合を振り出しに戻した。
 富山は前半41分、右からのFKに足助がファーサイドで頭を合わせてシュートしたが、惜しくもゴールネット上に落ちた。横浜FCは失点後もひるむことなく、アグレッシブなプレーを続けたがゴールは割れず、前半は1-1のまま終えた。
 後半、ともにメンバー変更なくスタート。横浜FCは前線からの積極的な守備からサイドを使って、富山は黒部のポストプレーと朝日、大西のサイドを使ってゴールをこじ開けようとした。しかし、ともに守備ブロックをしっかりと形成。バイタルエリアの手前で跳ね返しあう展開が続いた。
 試合の流れを変えようと最初に動いたのは横浜FC。後半21分、佐藤に代わってFW三浦知良を左MFに据えた。カズは自らが持つJ1J2を通じての最年長出場記録を44歳8日に塗り替えた。スタジアムが押せ押せムードとなる中、横浜FCに不運が襲った。
 後半24分、富山の苔口がPA内に出された縦パスに快足を活かして突進。この際、飛び出したGK関と交錯して転倒した。主審は関が倒してしまったとして警告&PKの判定を下す。これを同25分に元日本代表FW黒部光昭が決めて富山が2-1逆転に成功した。
 横浜FCは後半28分、難波に代えてFW西田剛を投入。対する富山も同33分、苔口に代えてFW木本敬介を送り出した。同じ時間、横浜FCは柳沢に代えてMF野崎陽介を入れた。富山は同35分、谷田に代えてMF舩津徹也を送り出した。
 後半41分、横浜FCのカズがチャンスを作った。左サイドで自ら奪ったFKのキッカーを務めると、ゴール前に絶妙なボールを配給。こぼれ球から味方がシュートに行こうとするが、ゴールを決めることはできなかった。その後も横浜FCは必死で同点弾を狙ったが、ゴールを割ることはできず。そのまま試合が終わり、富山が2-1で開幕戦勝利をつかんだ。
[写真]途中出場の横浜FC三浦(水)が富山MF西野と競り合う
(取材・文 近藤安弘)

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