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「意識改革」した大宮、J1唯一の無敗守る

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[4.12 J1第5節 大宮 3-2 G大阪 NACK]

 昨季12位の大宮アルディージャがJ1唯一の無敗を守り、5位へ浮上した。この日の対戦相手は昨年のアジア王者で3位のガンバ大阪。リーグトップの10得点を挙げている相手との点の取り合いとなったが、少ないチャンスを確実に活かして上回った。
 まずは前半22分、敵陣でG大阪・ルーカスのミスパスをカットしたMF小林慶行が相手DFラインの後方へ浮き球のスルーパス。スピードに乗って飛び出したFW市川雅彦がDF山口智に引き倒されてPKを奪う。これをDFマトが左足で沈めると、34分にもMF金澤慎のスルーパスで左サイドをえぐった小林が折り返し、ファーサイドのFW石原直樹がゴールへ押し込んだ。
 中央でのダイレクトのパス交換にSBのオーバーラップで決定機をつくる相手に対して、DF裏を狙った攻撃でリードを奪った大宮は、1点差に詰め寄られた後の後半11分にも相手のミスを突いた石原が敵陣をドリブルで独走。前半終盤から今季初出場していたFWデニス・マルケスが右足でゴールへと流し込むと、相手の追撃をかわして逃げ切った。

 順位こそまだ5位だが、今年はJ1とナビスコ杯を含めた公式戦7試合で未だ負けなし。それもエースのFWデニス・マルケスやMF小林慶行(前節復帰)、FWラフリッチといった主力が長期欠場する中で成し遂げた。今季から指揮を執る張外龍監督は「自分たちがナンバー1だと意識している。それが結果にもつながっている」と胸を張る。意識改革によって生まれた変化。過去J1では12位が最高のチームだが、指揮官は開幕前から「ACL」出場という目標をはっきりと口に出して新シーズンへの準備を行ってきた。石原は「(G大阪に勝ったが)でもまだまだ。一戦一戦大宮らしいサッカーで勝ちたい」。好成績にも選手たちに満足感は見られない。
 けが人が徐々に戻ってきてタレント力も上がってきている大宮。まだまだ強さを発揮していきそうだ。次節は昨年2位の川崎、そして現在3位の新潟、同2位の山形と好調チームとの試合が続くが、勝ち続けてこの進撃が勢いだけでないことを改めて示す。

<写真>大宮の張監督
(取材・文 吉田太郎)

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