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今季5発、21歳FW長谷川得点王争いに名乗り

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[4.29 J1第8節 大宮 0-3 山形 NACK]

 モンテディオ山形の21歳のストライカー・FW長谷川悠が2得点で暫定(29日午後7時時点)ながら日本人得点ランキング首位タイに躍り出た。
 その1点目は試合開始直後に決めた電光石火の一撃だった。1分、右SB小林亮の右スローインでDFラインの裏を突いたFW古橋達弥の折り返しにフリーで走りこむ。「GKも見えていた。狙って打った」というヘディングシュートをゴール左隅へ決めると、13分には古橋の右足ボレーがDFに当たってこぼれたところに体ごと飛び込み、2点目を押し込んだ。

 勢いは後半も止まらない。187cmの長身を生かした力強いボールキープで攻撃の起点となると、カウンター攻撃にも鋭く絡んだ。「(プロ入り後)ハットトリックしたことがなかったんでとれればよかった」と貪欲にゴールを狙った長谷川。だが、後半開始直後に立て続けにあった決定機を逃すと、41分に19歳のMF廣瀬智靖がつくり出したビッグチャンスも右足シュートがGKの手中におさまった。
 さらに42分にはMF宮本卓也がPKを獲得し、再びハットトリック達成のチャンスが訪れたが「蹴れ、と言われたけど、PKは得意じゃないんで。やめておきました」と古橋に譲り、試合終了。高校時代に1度あったという1試合3発を達成することはできなかったが、チーム3戦ぶりの白星はこの男の力によるところが大きかった。

 磐田との開幕戦に続く2発で早くも今季5得点。“北の点取り屋”は前節の首位・鹿島戦のゴールに続く活躍でその名をさらに知らしめた。だがチームで求められているのはゴールだけではない。「自分の中ではゴールも大事だけど、チームのためにプレーするという気持ちが強い。前半、前線でのボールのおさまりが悪かった。ゴールは取れているので(他の部分も)伸ばしていきたい」と納得していなかった。
 結果に対する強いこだわりも持っている。「10点取りたい。自信はないけれど、昨年そういう発言をしたら取れたので今年も続けていきたい」と長谷川。次節の相手は古巣でレンタル元でもある柏だ。「出たら自分ができるところを見せなければいけない。(柏には)思い入れもある。がんばっていきたい」と力を込めた。
 昨年J2で挙げた13得点に続き、J1でもゴールを連発している長谷川。10代から期待され、山形で花開いたストライカーは今後どこまでゴール数を伸ばすか。

(取材・文 吉田太郎)

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