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甘かったゲームプラン、千葉はペースダウンの交代で反撃できず

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[5.2 J1第9節 千葉0-2鹿島 フクアリ]

 ジェフユナイテッド千葉は王者に完敗した。シュート数は鹿島の19本を上回る21本。シュートは打てるようになったが、肝心の精度を欠き、FW巻誠一郎は「アグレッシブに戦ったし、シュートも20本以上打ったのに、入らなくて…。点を取らないと。点を取らないとダメだと僕自身も感じています」とうなだれた。

 球際で激しく戦い、高い位置から猛然とプレスをかけるなど試合の入り方は良かった。ただ、前半のうちに1点を取って試合を優位に運びたいという思惑は、過密日程の鹿島も同じだった。立ち上がりの激しい打ち合いをゴールに結び付けられず、逆に前半15分に先制点を与えると、後半5分にはPKでリードを広げられ、試合巧者の鹿島にうまくいなされた。

 この日はFW新居辰基が先発で巻と2トップを組み、両翼には谷澤達也と深井正樹が入った。「ホームではアグレッシブにプレーしたいし、近い距離でプレーする選手が増えた。それがシュート数にもつながったと思う」と巻。ここ数試合の巻、谷澤、深井が3トップ気味に位置する形ではなく、より攻撃的な布陣を採用したが、結果的にビハインドの状況から追い上げる決め手を欠くことになった。

 後半28分に新居をMF米倉恒貴、同36分に深井をMFミシェウに代えたが、ゴール前で決定的な仕事のできる選手が減り、前線で巻が孤立する状況を生んでしまった。鹿島が後半に運動量が落ちることは予想できていただけに、勝負どころで自らペースダウンするような交代はもったいなかった。ベンチにFW登録の選手がひとりもいなかったのは選手層の薄さという問題でもあるが、ミラー監督のゲームプランの甘さも感じさせた。

(取材・文 西山紘平)

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