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千葉がオシムサッカーに勝つ、巻「近いものがあった」

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[5.9 J1第11節 千葉2-1広島 フクアリ]

 ジェフユナイテッド千葉のホーム初勝利は、オシムサッカーを封じてつかんだものだった。サンフレッチェ広島を率いるのは、千葉のイビチャ・オシム元監督の愛弟子であるペトロヴィッチ監督。GKを含めた最終ラインからのビルドアップと徹底したパス回しは、一時の千葉を見ているかのようだった。

 FW巻誠一郎は「イリアン(かつて千葉でプレーしていたDFストヤノフ)もいたし、プレーの質というか、リスクを冒して攻めるところは近いものがあった」と、その印象を口にした。「小気味いいパス回しとか、失点シーンとかはまさにそんな感じ。そういうサッカーを根気良く90分間続けるというのはすごいと思う」と語った。

 監督が代われば、サッカーも変わるのは当然のことで、この日千葉が見せたサッカーは対照的でもあった。高い位置からのプレッシャーは同じだが、ある程度ブロックをつくって相手の攻撃を受け止め、ボールを奪ったらシンプルに前線に送る。2-1と逆転してからはリスクを冒さず、しっかり守備を固めてカウンターで追加点を狙った。

 サッカーに正解はない。広島のようなサッカーで勝てるときもあれば、負けるときもある。千葉もこの日は逃げ切れたが、毎回そううまくはいかないだろう。

 千葉は今、新しいスタイルを確立しようという過渡期にいる。なにかと“オシムシンドローム”とも言える過去の呪縛にとらわれがちだったクラブにとっては、オシム流からの「卒業」という意味で感慨深い勝利であったかもしれない。

<写真>千葉FW巻(18番)と中後(8番)
(取材・文 西山紘平)

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