[5.23 J1第13節 千葉1-1横浜FM フクアリ]

　J1第13節は23日、各地で5試合を行い、フクダ電子アリーナではジェフユナイテッド千葉と横浜F・マリノスが対戦。千葉は後半5分、FW巻誠一郎の3戦連発となるゴールで先制したが、横浜FMは後半43分、DF小宮山尊信が土壇場で同点ゴールを決め、1-1で引き分けた。

　千葉はFW深井正樹が負傷欠場。システムは4-4-2で、GK岡本昌弘、4バックは右から坂本將貴、池田昇平、ボスナー、青木良太と並んだ。中盤は下村東美と工藤浩平のダブルボランチ、右に米倉恒貴、左にアレックスが入り、谷澤達也と巻誠一郎が2トップを組んだ。
　横浜FMは4-3-3で、GK飯倉大樹、4バックは右から田中裕介、栗原勇蔵、中澤佑二、小宮山尊信と並んだ。中盤は松田直樹がアンカーに入り、右前に小椋祥平、左前に兵藤慎剛。3トップは渡邉千真を頂点に、シャドーストライカーが山瀬功治と 狩野健太だった。

　試合は横浜FMが主導権を握った。最初のビッグチャンスは前半6分。相手のパスミスからカウンターを仕掛け、山瀬がスルーパスに反応。ボスナーをかわしてシュートを打ったが、ゴール右にそれた。

　横浜FMは最終ラインからゆっくりパスを回した。千葉は相手のセンターバックまではプレッシャーをかけないため、DFラインではボールを回せたが、中盤にボールが入ると、千葉も激しくプレスをかけ、自由にさせない。横浜FMはなかなかボールを前に運べず、局面を打開できなかった。
　
　前半24分、PA外でボールを持った渡邉が鋭い反転からPA内に進入し、左足で狙ったが、GKの正面。同35分、ワンツーで突破した山瀬の左足ミドルもゴール上に外れた。

　一方、千葉もハイプレスでボールを奪っても、パスミスが目立ち、チャンスにつなげられない。前半30分、同40分と米倉、下村がミドルシュートを狙ったが、攻撃は単発だった。

　千葉のチャンスは前半43分。高い位置で中澤からボールを奪い、谷澤が素早くスルーパス。巻が右サイドに流れながらシュートを打ったが、GKがセーブした。

　前半の45分間、体を張って耐え続けた千葉が後半開始早々、先制に成功する。後半5分、左サイドで谷澤がパスを受けると、2人に囲まれながら強引にドリブル突破。マークをかいくぐり、右足でクロスを上げると、ファーサイドからフリーで走り込んだ巻がヘディングで叩きつけ、ゴールネットを揺らした。

　反撃に出たい横浜FMだが、相変わらず千葉の厳しいチェックに苦しみ、攻撃の形をつくれない。後半14分には山瀬に代えて193cmと長身のDF金根煥をFWの位置に入れ、前線の高さを強化した。

　後半20分、ハイボールを金が落としたこぼれ球を狩野が拾い、鋭い切り返しでボスナーをかわし、シュート。しかし、ここは池田が体を張って防いだ。

　横浜FMは後半23分、狩野に代えてFW坂田大輔を投入。じわじわと千葉の最終ラインを押し込んだ。同25分には小宮山のスルーパスを受けた坂田が坂本をかわして左サイドを抜け出し、角度のない位置からシュートを打ったが、これもGKの好セーブに阻まれた。

　完全に防戦一方となった千葉はDFラインが下がり始め、苦しい展開となったが、球際での激しさが落ちず、なんとか横浜FMの猛攻に耐えた。後半33分にはまたもPA内でボスナーが抜かれ、田中に決定的なシュートを打たれたが、下村と池田が体を投げ出してブロックし、ピンチを逃れた。

　我慢強く守っていた千葉だが、勝利が見えてきた後半43分、痛恨のゴールを許してしまう。横浜FMは左サイドからクロスを上げると、ボスナーに当たったこぼれ球が小宮山の目の前へ。小宮山は素早く右足を振り抜き、ゴール右隅にねじ込んだ。

　あと一歩のところで勝ち点3を逃した千葉。なんとも悔やまれる勝ち点1となった。

<写真>試合後にうなだれる千葉選手
(取材・文　西山紘平)

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