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大分・右足首痛のエースが意地の2発

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[10.18 J1第29節 大分2-1清水 九石ド]

 大分トリニータが土壇場で踏ん張った。勝たなければ残り5試合を残して史上最速タイの降格となっていたが、FW高松大樹が2得点を奪い、逆転勝利に導いた。

 後半5分にCKから清水DF岩下にヘディングシュートを決められ先制点を許したが、同13分、FW高松が相手DFを背負いながらも素早い反転から右足を振り抜き同点にし、さらに後半33分、右サイドからのMF家長のクロスに、高松が頭で合わせて逆転に成功。貴重な勝ち点3をつかんだ。

 大分の公式HPによると、高松は「最初から難しい試合になると思っていたし、試合前には首位の清水に勝って自分たちの力を示そう、と監督から言われていたので、勝利が現実のものとなって良かった。2日間、足(右足首)の痛みで練習を休んだが、今日は大事な試合なのでできるところまで行こう、と思ってプレーしていた。2得点とも、夢生(金崎)とアキ(家長)が良いボールをくれたおかげなので彼らに感謝したい」と話したという。

 日本代表GK西川周作は「絶対に負けられない試合だったので強い気持ちを持って臨んだ。先制されても絶対逆転するという思いがあったし、マイナスなことではなく常にポジティブな考えで臨んでいた。前半はパスミスが多かったので後半は思い切ってやろう、とハーフタイムに話し合った。先制されても声が良く出ていたし、ピンチの場面で1対1を止める事もでき勝利に貢献できて嬉しい」とコメントした。

 何とか勝利し、07年の横浜FC、08年の札幌に並ぶ“史上最速”のJ2降格は逃れたが、喜べる状況ではない。次節、同33で15位大宮が勝ち、ともに同34の14位神戸、13位山形が勝ち点1を得れば、大分は勝利してもJ2降格が決まる。イレブンは“ミラクル”を信じて一戦必勝を貫くしかない。

(文 近藤安弘)

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