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柏-山形の残留争いは山形が勝ち、16位以上が確定

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[10.24 J1第30節 柏0-1山形 柏]

 J1第30節は24日、各地で5試合を行い、日立柏サッカー場では柏レイソルモンテディオ山形が対戦。山形が後半12分にMF宮沢克行が先制ゴールを奪い、これを守りきって1-0で勝利した。山形は勝ち点を37に伸ばし、16位以上が確定した。柏は3連敗とホームで痛い星を落とした。

 16位の柏は前節のF東京戦は0-4の惨敗を喫するなど2連敗中で迎えた。ただ、DFパク・ドンヒョクとMF大津祐樹が出場停止から復帰して先発出場と明るい材料があった。システムは4-4-2でGKは菅野孝憲、DFラインは右から村上佑介、近藤直也、パク・ドンヒョク、大谷秀和、中盤はボランチにMF栗澤僚一、MF小林慶行、右MFにポポ、左MFに大津祐樹、2トップはFW北嶋秀朗、FW菅沼実が入った。

 対する山形は前節、神戸に1-0と競り勝って13位に順位を上げた。柏を下せば、残り4試合で降格圏まで勝ち点10差と安全圏に入ることができる一戦。システムはいつもどおりの4-4-2で、メンバーも前節と同じ。GKは清水健太、DFラインは右から宮本卓也、レオナルト、西河翔吾、小林亮、中盤はボランチにMF秋葉勝、MF佐藤健太郎、右MFに宮崎光平、左MFに宮沢克行、2トップはFW古橋達弥、FW長谷川悠が入った。

 序盤は山形がペースを握った。FW長谷川を起点に攻め、そこにFW古橋、両サイドMFがうまく機能した。スルーパスで崩すことはできなかったが、激しい守備に来る柏から何度もFKをもらい、そして、そこからチャンスを作った。

 前半6分にはやや遠目のFKをFW長谷川に入れ、長身エースがバックヘッドでシュート。GK菅野に防がれたが、高さが大きな武器になった。さらに2分後、左サイドからのFKに再びFW長谷川が頭を合わせてシュート。さらに前半18分、ゴール正面よりやや右サイドで得たFKから、これまたFW長谷川がバックヘッドでシュートし、ゴールネットに突き刺した。しかし、わずかにオフサイド。“幻のゴール”となった。

 前半の途中からは、柏がボール回す時間帯も増えたが、山形はFW陣も含めてMF、DFと“ダブルの壁”を形成。パスコースを与えなかった。柏は右MFポポ、右DF村上をうまく使って崩そうとしたが、簡単にはいかない。突破から得たFKが数少ないチャンスとなる。前半21分、ポポの右FKからDFパクが頭で合わせるが、上に外れた。

 山形もカウンターからゴールを狙った。前半37分、MF宮崎の浮き球パスにFW古橋が抜け出し、DFに挟まれながらも右足シュート。ゴールネットを揺らしたが、これもわずかにオフサイドとなり“幻のゴール”となった。同40分にはFW長谷川が胸トップから反転して右足でミドルシュート。ゴール左上に外れたが、古巣相手に容赦なく襲い掛かった。

 前半ロスタイム。柏が魅せ場を作った。右サイドからのMFポポのFKに、ニアサイドでFW北島が頭を合わせるとファーサイドに流れ、これをDF近藤がヘディングシュート。しかし、GK清水にキャッチされた。前半は山形優位も0-0で折り返した。

 後半開始から、山形はDF宮本に代えてDF石川竜也を投入。石川を左SBに入れ、左SBだった小林を右SBに回した。

 後半序盤は互いにボールが落ち着かず、長いボールが主体となったが、同12分に、山形がカウンターから先制点を奪った。自陣ゴール前右でFW古橋がボールを受けると、左サイドからゴール前に走りこんでいたMF宮沢にロングパス。ボールはDFの間をうまく抜けて宮沢にわたり、GKと1対1からゴール。敵地ながらアウェーゴール裏が満員となるほど集まった山形サポーターが大喜びした。

 柏は後半15分、FW菅沼に代えてFW工藤壮人を投入。北島と2トップを組んだ。柏はその後、MFポポにボールを集め、攻撃を組み立てた。

 後半25分、柏に一挙に2度の決定機が訪れた。ペナルティエリア左で得たFKをMFポポがFW北島の頭に合わせ、ヘディングシュート。ゴールマウスを捕らえていたが、GK清水にはじかれ右CKとなった。そのCKから、DF近藤がゴール左にヘディングシュート。決まったかに見えたが、GK清水がポストに体をぶつけながらのスーパーセーブで防いだ。

 その後も柏が積極的に攻め込んだ。MFポポとMF大津の突破力に懸けてか、2人にボールを集めて攻略を目指した。ボールを支配し押し込んだが、それでも、ゴール前でしっかりとブロックを作って守った山形守備陣を崩せない。柏は後半41分、DF近藤に代えてDF鎌田次郎を投入。点のほしい時間帯のはずだが、DFの選手が起用された。鎌田はそのままCBの位置に入った。

 ロスタイム。山形はMF宮崎に代えてMF廣瀬智靖を投入。時間を稼いだ。ロスタイムも終盤のところで、柏はペナルティーエリア正面やや左でFKのチャンスを得た。これをMFポポがゴール左上に蹴りこんだが、GK清水がはじき出し、CKに。このCKからも柏はゴールを奪えず、直後に試合終了。山形が1-0で勝利し、勝ち点を37に伸ばした。

(取材・文 近藤安弘)

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