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自滅の千葉、理想に現実が追いつかない

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[10.24 J1第30節 鹿島3-0千葉 カシマ]

 完全に自滅した。前半8、18分の失点はいずれも自分たちのミスから。MF中後雅喜が「集中力がなかったのか分からないけど、不用意だったのは間違いない。自分たちで自滅した」と振り返る痛恨のミスの連鎖で、ジェフユナイテッド千葉は自ら勝ち点を手放した。

 江尻篤彦監督になり、ボールをつないで攻めるアクションサッカーへの転換を図ったが、就任から11試合たっても結果に結び付かない。つなぎの部分でミスを連発し、失点を重ねたこの日の試合内容はあまりにも皮肉だった。

 FW巻誠一郎は「つないだり、しっかりサッカーをすることをやめたら、今までと何も変わらない。つないで、ボールを動かして、チームが表現しようとしているものを大事にしないといけない」と言う。ミラー前監督時代の守備重視のリアクションサッカーからの脱却。「僕らもこういうサッカーを望んでいた」(巻)というが、理想に現実が追いつかない。

 「ネガティブなパスが多かった。練習でできていることもあれば、できてないこともある。どういう局面で使うかが上手くいってない。全部つないでもダメだし、全部ロングボールでもダメ」。巻がそう認めるように、チームは試行錯誤、成長途上の段階にある。長い目で見た方向性と、目の前の結果。降格危機に立たされた状況で、その両立は不可能に近いミッションと言わざるを得ない。

 就任後、いまだに勝利のない江尻監督。これが産みの苦しみなら、いつ、どこで、何が“産まれる”のか。千葉は、次節にも降格が決まる。

<写真>千葉MF中後
(取材・文 西山紘平)

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